君と僕と僕らと (ページ37)

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「…今後ともフィッシャーズをよろしくお願いします。それじゃ、アデュー！」

Aとの交際発表の動画は生放送で出した。その方がリアルや声も聞けると考えたし、ファンに対して誠実な対応だろうと思ったからだった。元々同居していたこともあり、受け入れてくれたファンや応援の声、はたまたまだ付き合ってなかったのかと冷やかす声もあった中で、やはり受け入れられない声も上がったのは事実だ。

「大丈夫か？」
『まぁ引き下がれないところまできちゃったからねぇ…問題はこれからでしょ』

俺の一方的な我儘でこういう形を推し進めたが、彼女自身コメントに何も感じていないわけがない。それでも俺の気持ちを汲んで発表を許してくれたことには本当に感謝の気持ちしかない。

『まぁこうやって公表しちゃったわけだし、簡単にはダメでしたなんて言えませんよ、シルクくん』

悪戯な笑顔でそう言う彼女はどこか虚勢を張っているように思えるが、きっと不安がないはずないのだ。そんな彼女を、許されるならこの先ずっと守っていきたいと心から思い、力無く下ろされていた左手を自分の右手で攫った。

「ばーか、簡単に手放してやる気ねぇよ」
「…ねぇ、俺たちいること忘れてイチャつくのやめてくれる？」
「聞いちゃいねぇぞきっと」
「こっそりセカンダリ撮っておけばよかったね」

ソファーの両端に座るンダホ、モトキ、マサイはやれやれといった表情だったが、最中真剣な顔をしてカメラやコメント画面に向き合ってくれていたことを知っている。本当にいいメンバーに恵まれたなと感じたらうっかり涙が出そうになって堪えた。