大誤算 ページ9
あの電話から3日。
今日は日曜日。
久しぶりに外へお出かけする。
服を買いたいのだ。
私はブランドとかそこまで気にする方でも
ないので誰もが知っているような
超有名店のプチプラで買い物をする。
もうすぐ、本格的な冬が来るから
買いだめしておきたい。
だって家から出たくないんだもの。
店員「なにかお探しですか？」
、、、危ない、あっちに
行かなくてよかった。
店員に話しかけられると本当に
良いことがない。
なぜ話しかけるのかわからない。
ゆっくり見させてほしい。
前に話しかけられてあれよあれよ、と
服を買わされ、２回ほどしか着なかった
服が数着ある。
本当に嫌だ。やめてくれ。
一通り買い物を済ませ、店を出る。
ほのかに冷たい風が容赦なく私の頬を伝う。
横を見ると、本格的なコーヒー屋さんが
ぽつんとあった。
少し温まろうかな。
そう思い、店に入る。
マスター「いらっしゃいませ」
カウンターに一人、
メガネをかけた男の人がいた。
少し大人な感じの人。
でも、歳は近そう。
、、、後は客はいないようだ。
店も静かだし、いい匂い。
癒やされるなぁ。
来て正解だったかも。
マスター「カウンターにどうぞ」
男の人と距離を取り、
カウンターに座る。
メニューを開く。
結構色々あるんだぁ。
へぇ、豆から選べるのか。
、、、よくわからないな。
実はここ最近なのだ。
コーヒーが飲めるようになったのは。
マスター「もしよろしければ、
おまかせでお作りしましょうか？
今の季節、ぴったりの珈琲があるんです」
優しくマスターが話しかけてくれる。
A「よろしくおねがいします」
わぁ、そんな事もできるのか。
なんだか、ワクワクする。
ｶﾗﾝ
誰か、またこの店に入ってくる。
すると、カウンターに座っていた男の人が
入ってきた人に声をかける。
？「リーダー！こっちこっち！」
、、、リーダー？
どんな人かと思って
ちらっと覗く。
A「え、智くん、、、？」
な、なんでここに智くんが？！
ばっ、と顔を隠す。
すると、智くんがキョロキョロする。
？「どうしたの？」
大野「名前呼ばれた気がして」
？「俺、呼んでないよ？」
大野「じゃあ気のせいか」
と、私側の方に座り、
談笑しだす。
うそ、、、大誤算だ。
あの男の人、
智くんの知り合いだったの？！
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作者名：えり | 作成日時：2022年1月13日 12時
