30分前の大野家 ページ12
2009年12月9日 水曜日
約束の日。
時刻は18時29分。
大野「A〜、準備できた？」
A「まだ30分あるじゃん！まだだよ！」
大野「今日ね、ご飯美味しいとこらしいよ」
俺も車に乗せてもらうから、と
実家に帰ってきている智くん。
母「二人とも出かけるの？」
大野「うん、俺もAもご飯いらないから」
母「あら、Aまで？雪でも降りそうね」
A「本当は私だって でかけたくないよ〜」
大野「何、まだ駄々こねてるの？
もうキャンセルなんてできないからね
ほら、A 準備するよ」
智くんにずるずると引っ張られ、
洗面所へ向かわされる。
ちらっ、とお母さんの方を見ると
微笑ましく私達を見ている。
大野「ほら、早く支度して」
A「なんで智くんそんなに乗り気なの」
大野「ふふ、自慢の妹のお披露目会だからね」
A「前は私と会わせるの嫌がってたじゃない」
大野「今はみんな大事な人たちだから」
なるほど、絆ができたから。
と、いうことか。
、、、しょうがないなぁ。
A「わかった、着替えるから出ていって」
大野「なんで？」
A「出ていって！！」
と、智くんをぽいっと追い出す。
はぁ、、、
智くんは私のこと何歳だと思っているんだろう。
６歳児ぐらいだと勘違いしていないだろうか？
仮にも私、24歳の立派な女の子なんだけど。
なんて思いながら支度をする。
15分ほど経って智くんがドアをノックする。
大野「できた？」
A「あと少し」
大野「ん」
ごっ、と音がする。
多分、ドアに もたれかかったのだろう。
A「智くん、寝ないでよ？」
大野「大丈夫」
髪型を少しアレンジしてみる。
流石に全員人気芸能人となると
私だけが浮いてしまう。
少しでもきれいに見えるように心がける。
A「智くん、できた」
すると、ドアが開く。
大野「可愛い〜」
と、抱きついてくる。鬱陶しい。
なんでこの歳にもなって兄に
抱きつかれなければならないのだろうか。
A「智くん、邪魔」
大野「ちょっとオシャレしすぎじゃない？」
A「普通だよ」
すると、智くんのスマホが鳴る。
メールのようだ。
大野「相葉ちゃんからだ、もうすぐ着くって」
A「誰の運転？」
大野「翔くんがするって言ってたよ」
A「わ、安全運転っぽそう」
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作者名：えり | 作成日時：2022年1月13日 12時
