六の巻 ページ8
ある林の中
数十人の男共が集まっている
以蔵を探してるのは
同心だけではない
黒影組のリーダー
黒川官兵衛もだ
kj「俺を裏切るとは・・。見つけ次第、始末しろ！」
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お丸は怪我が治るまで
甲斐甲斐しく以蔵の面倒を見た
髪を切り、普通の着物を着せると
fk「すっかり、ただの子供だねぇ(笑)可愛いよ」
ru「可愛いとか言うな。俺は男だぞ」
fk「ははは(笑)そういう所が子供なんだよ」
以蔵が味わった事のない温かい空気
一生ここに居れたら・・
そんな以蔵の願いはすぐに断ち切れた
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dt「ここに少年がいると聞いた。風貌も以蔵に似ていると」
iw「お丸、本当なのか！」
店先からそんな言葉が聞こえた
fk「うるさいねぇ。知らないよ！」
お丸は以蔵を必死に守っていた
dt「中を改めさせてもらう」
fk「やめておくれ！入らないで！」
ここにはもう居れない
以蔵はせめてものお礼にと
母の形見である簪をお丸の鏡台の上に置いた
すると
お丸のお気に入りの簪が目に入った
2本の対になった簪
その一本を自分の懐に入れた
‘また、いつか、会えますように’
そう願いながら
以蔵は勝手口から逃げた
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徳俵と新吉が中に入ると
そこはもぬけの殻
その部屋を見たお丸は
その場に崩れ落ちた
dt「居ない」
iw「逃げたか」
二人は慌てて外に飛び出した
その後お丸は
自分の鏡台に
以蔵が形見だと見せてくれた簪と
片方なくなった自分の簪を見つけた
fk「以蔵・・どうか、無事で・・」
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作者名：おまる
| 作成日時：2021年5月5日 3時
