二十八の巻 ページ30
お丸が店の片付けをしていると
一人の男が近付いてきた
fk「あんたは・・」
「覚えてるか?おいらは新ってんだ」
以蔵を誘き寄せる為に
お丸を襲おうとしたコソ泥だった
fk「・・何だい?」
新「そんな怖い顔すんなって。いい話を持ってきてやったんだから」
fk「いい話?」
新「隣町のでっけぇ屋敷。大蔵家ってぇんだけど。そこの跡取り息子が用心棒を雇ったらしい」
fk「用心棒?」
新「金の亡者で、財産を守る為に素性も知れねぇ、かなりの手練れを雇ったって話だ」
fk「それがどうしたんだい?」
新「歳の頃は18.9。まだ子供なのに大層腕が立って、この江戸の町に似合わねぇ長身の男。なのに、先に団子の付いた可愛らしい簪を常に帯にしたためるって話なんだよ。滑稽だろ?」
その話を聞いて
お丸は急いで隣町の大蔵家まで走った
ドンドンドン
大蔵家の門を叩くお丸
「何ですか?」
中から利発そうな男性が出てきた
大倉家の次男坊、銀之助だ
fk「私は隣町の団子屋の娘でお丸と申します。ここに、以蔵・・用心棒の方がいらっしゃると聞いて。私の知り合いなんじゃないかって」
銀「おま、お待ち下さい」
するとしばらくして
煌びやかな着物を着た男性も来た
長男の金之助
金「何〜?なんか用〜?」
銀「あに、兄貴。この人が用心棒に会いたいって」
金「それ、ダメって言われてるんだよね〜」
fk「どうしてですか?」
金「ここにいる事は誰にも言うなって〜」
fk「お願いします!どうしても会いたいんです」
お丸は自分の簪を二人に見せた
fk「じゃあ、これだけ教えて下さい。その人が持ってる簪は、これと同じですか?」
金「あ、同じだ〜。触らせてもくれないけど〜」
銀「この、この人ならあわ、会わせてもいいんじゃないか?」
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作者名:おまる | 作成日時:2021年5月5日 3時