二十六の巻 ページ28
お使いを頼まれたお丸は
すっかり日の暮れた道を急いで帰っていた
最近はますます物騒になって
夜道は歩くなと
新吉から言われていたからだ
「・・身ぐるみ、全て置いてってもらおうか」
お丸の前に一人の男が立っていた
fk「だ、誰だい！」
「おいら？おいらはしがないコソ泥さ。さぁ、金を出しな」
fk「ダメよ。これは大切な」
「じゃぁ、力ずくで奪うしかないな」
殺される、そう思ったお丸の前に
別の男が立ち塞がった
「・・お前の相手は俺がする」
その声に聞き覚えのあるお丸が顔を上げると
fk「以蔵！以蔵じゃないか！無事だったんだね」
そこには以蔵が立っていた
ru「お丸、行け」
fk「でも」
ru「こんな奴に負ける俺じゃない」
「それはどうかな？」
不敵な笑みを浮かべるコソ泥
その後ろから
複数の男がやってきた
「新。よくやった」
ru「官兵衛・・」
そこには黒影組の官兵衛の姿
新「じゃ、約束の金を」
コソ泥が手を出すと
官兵衛は金の入った袋を渡した
新「悪いな、お丸。黒影組から以蔵を見つけた奴には大金を出すって聞いたもんで。あんたを襲えば必ず以蔵は現れる。思った通りだったぜ」
そういうと、コソ泥は居なくなった
kj「以蔵、久しぶりだな」
ru「・・しつこい奴だ」
kj「俺を裏切った罰を受けてもらわないとな」
ru「お丸、逃げろ。こいつだけは駄目だ」
fk「でも」
ru「お前が居たんじゃ、足手まといなんだよ」
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作者名：おまる
| 作成日時：2021年5月5日 3時
