二十の巻 ページ22
町に配られた瓦版
五年ぶりとなる花魁道中
それも遊郭一の花形花魁
翠雪太夫
盛り上がらないはずがない
町も賑わっていた
fk「お亮ちゃん、やっとこっちの世界に戻ってこれるんだね・・」
iw「いい旦那だといいけどな」
お亮を知ってる二人は
複雑な思いでこの出来事を見守っている
そして新吉には
不安もあった
目黒の事だ
目黒が真面目な良い奴なのは
自分がよく知ってる
ただ、真っ直ぐ過ぎて
心配な所もあった
それでも
花魁道中の決まった遊郭は
今まで以上に警備を強まり
そう易々と中には入れない
その日
ちゃんと舞台に出ている目黒を見て
新吉は安堵した
ーーーーーーーーーー
「わぁ、姐さん、綺麗・・」
花魁道中で着る着物を身に纏ったお亮
妹分達も自分の事のようにはしゃいでいる
ab「ありがとう」
「寂しくなります・・」
ab「元気でね」
鳥籠のようなこの世界で
唯一心が休まったのは
この妹達との時間だった
同じ苦しみを共有出来る家族のような存在
ここには
男どもは入って来ない
そんな扉がスッと開いた
「だ、誰？」
皆が驚き、扉の方を見ると
ab「・・っ、蓮・・様・・」
そこには目黒がいた
ab「な、何故？どうやって」
今までのように
簡単には入って来れない
しかも、楼の中に
mm「ここの客の先輩を脅して、一緒に中に入れてもらいました」
その手には小刀が握られていた
ab「何だって、そんな真似を」
そんな事をしたら
おそらくここからはもう出られない
mm「・・あなたを迎えに来ました」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おまる
| 作成日時：2021年5月5日 3時
