一の巻 ページ3
春はあけぼの
江戸中期
街には貧富の差も激しく
笑いもあり
涙のある
そんな世の
さまざまな恋模様・・・・・・・・・
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sk「あ!翔ノ介様〜!」
お目当ての殿方を見つけて
さくは走り出す
nb「おさく?お前、また女中1人しか付けずに出歩いてんのか」
sk「だって・・たくさんの人に見張られてたら、楽しくないんですもの」
ちょっと口を尖らせて言う仕草に
翔ノ介は呆れたような顔で微笑む
nb「ほら、送っていくから、帰りなさい」
sk「え〜?やっと翔様に会えたのに」
nb「俺を探しに来たのか?」
sk「そう。だって最近、全然会いに来てくれないんだもの」
いつも通りの素直な物言い
翔ノ介は可愛いと思いながらも
胸を痛める
さくと翔ノ介は所謂、幼馴染み
親同士が同じ町の旗本であり
家族ぐるみで仲が良い
幼い頃からさくは
翔ノ介に恋心を抱いており
翔ノ介もそんなさくを可愛いがっていた
‘将来は夫婦にさせるか’
親同士のたわいも無い冗談を
さくは本気にしていた
しかし、世は無常
さくの父親は
出世を重ね
今や筆頭旗本
さくはそこの一人娘
片や翔ノ介の父親は
ギリギリ旗本を名乗れるくらい
翔ノ介はそこの次男坊
大きな仕事も与えられず
やる事と言ったら
雑用と見回りばかり
‘俺とおさくじゃ、釣りあわねぇ’
それは翔ノ介が一番良くわかっていた
nb「ほら、帰るぞ」
翔ノ介の言葉に
さくは渋々後ろをついていった
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作者名:おまる | 作成日時:2021年5月5日 3時