８７．こんにちは、私。 ページ11
「今日は宜しくお願いします。」
お母さんの声が部屋に響く。
スーツを纏った男の人たちに会釈をする。
この人たちって…確か。
園山さんと遠藤さんじゃなかったっけ。
いつも、私の個展の設計とかをしてくれる人たちだ。
あと、スタッフを集めてくれる人。
「いえいえ。先生が今回もこちらを使ってもらえるなんて、我々も光栄です。」
園山さんが深々とお辞儀をする。
私もそれにあわせてお辞儀する。
「では、今回のスタッフを紹介したいと思います。えっと、今回はですね、新人が殆どですのでやり難いかと思われますが、腕はいい者が多数揃ってますのでよろしくおねがいします。」
遠藤さんが部屋のドアを開けると。
STAFFと印刷された黄色いTシャツを着た若い男女がぞろぞろと入ってきた。
「(本日はどうもありがとうございます。これから宜しくお願いしますね。)」
私の言葉をお母さんが通訳すると
音を立てずに空気がざわざわし始めた。
目をそらし始めたスタッフ。
そんな対応。
もう慣れっこだ。
「(喋れなくてすみません。)」
そんな私の手話を
お母さんは
通訳しようとはしなかった。
ただ、
下唇を強く噛んでいただけ。
私は障害者。
みんなが嫌がって当たり前の存在なの。
「よ、よろしく…お願いしますね。」
スタッフの戸惑った声色。
遠藤さんが何かを察したのか
「で、では…企画のほうを考えましょうか。」
私ひとりの人間のせいで
空気が変わってしまうなんて。
きっと
この世界の
いらない存在なのかもしれない
私は。
そう、昔の私は私につぶやいた。
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わかにゃ(プロフ) - 櫻宮夢月さん» いえいえ…本当のことを言っただけですから＾＾ (2012年8月3日 15時) (
レス) id: 9506922c93 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮夢月(プロフ) - わかにゃさん» わわわぁ！！ありがとうございます＾＾本当、嬉しいです！！ (2012年8月3日 14時) (レス) id: b85a1ccf9e (このIDを非表示/違反報告)
わかにゃ(プロフ) - 櫻宮夢月さん» 現実に近づけているからひきこまれるんですよ＾＾ (2012年8月3日 14時) (レス) id: 9506922c93 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮夢月(プロフ) - わかにゃさん» そう…ですかね？沢山の素晴らしい書き手さんがいますよ！私の作品は夢小説とは言っても、できるだけ現実に近づけていますので。それが原因なんですかね？（笑） (2012年8月3日 13時) (レス) id: b85a1ccf9e (このIDを非表示/違反報告)
わかにゃ(プロフ) - 櫻宮夢月さん» 夢月さんの書く作品は引き込まれるんですよ。こんなすごい作品は数すくないので＾＾ (2012年8月3日 13時) (レス) id: 9506922c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻宮夢月 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yaneurabeya/
作成日時：2012年5月5日 9時
