お前の作る歌が歌いたい【聖川真斗】 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:13,388 hit

おそろいページ8

そんな会話を交わしていると
もう雑貨店に着いた。

平日だが、ちょうど
学校帰りの時間だったりするわけで
中にはたくさん女の子がいた。

心配のあまり
背の高い聖川さんを見上げる。

「ん？どうした、入らないのか。」

「いえ、何でもないです。」

私たちは、店の中に入った。

店内は明るくてキラキラしてて
可愛いもので埋め尽くされていた。

「わぁ、可愛い！」

私は思わず声をあげた。

店内に男の人は
聖川さんだけなのに
嫌な顔ひとつせず
店内を見回して
ほぅ・・・と興味深そうな
声をあげている。

「聖川さん、こっち来てください！これ可愛いですよね？おそろいにできますよ！色違いで。」

見つけたのは音符の形をした
ストラップ。
結構大きめなもので
キラキラしている。

「ほら、ここにイニシャルのチャームが付けられるんです！おそろいにしましょう！ね？」

私は聖川さんを見る。

聖川さんは頷いて
青とピンクのストラップを
手に取り、赤い方を私の掌に乗せた。

「よかろう。えっと、Aだからイニシャルはこれだな。俺はM・・・あったあった。」

聖川さんは棚の中にあった
私のイニシャルチャームを見つけ
私に渡した。
自分のも見つけ手に取った。

『あの人格好いいよね？』
『確かに。綺麗な人。』
『あんな人が彼氏だったらな。』
『話しかけたら？』
『え、彼女いるよ？』

そんな会話が聞こえた。
聖川さんのことを
言ってるんだ。
・・・えっ、私彼女だと思われてる？
勝手に優越感にひたる。

「おい、どうした？」

「えっ、わっ、や、別に。」

あっちゃー。
ボーッとしすぎた。

「他に何か見たらどうだ。」

私は頷いて
店内を歩いた。

先程の会話をしていた
女の子たちとすれちがう。

『彼女さん、可愛い』
『美男美女カップルっつーの？』
『いいよね。』

え、わ、私！？
いやいやいや、可愛くなんてないよ。

私はサササッと歩いた。

あ、これいい。

目に留まったのは
ピアノをモチーフにした
写真たてだった。