検索窓
今日:6 hit、昨日:13 hit、合計:478,095 hit

46..臣side ページ46

.





…え?Aずっと寝てたよな?

何でこんな……





呆然としていると。

玄関の扉の開く音が聞こえて。
咄嗟にAから少し離れて床に座り直した。







隆『臣待たせて悪い…今終わったから』



臣『…………ん…別に』



隆『あれ?岩ちゃんは?』



臣『……あっちでいびきかいて寝てる』






顎で場所を示すと
少し疲れた様子のその口元が緩んだ。



隆二はそのままソファの前で
少し腰を屈めて。


寝顔を見つめながらAの髪を
控えめに撫でた。








臣『隆二さ…A何かあった訳?』



隆『…………何が?』



臣『涙の跡みたいなの凄いんだけど』







すると隆二が
ソファを背に腰を下ろして。

伏し目がちな顔をして押し黙ってしまう。








臣『もしかしてお前……泣かした訳?』



隆『……ちげーよ』



臣『何だよ…』



隆『………何でもねーよ』



臣『つか、彼氏いんのに二人で飯行っていい訳?しょうたせんぱいってなんか寝言言ってたけど?』







何が起きたのか気になり始めた俺は。


自分の突発的な行動なんて棚に上げて
少し責めるように言い放った。

ここまで言われたら俺に話すだろとか思って。









隆『そいつ彼氏じゃねーよ最低なやつ』



臣『何それ、そこまで言ったら教えろよ』



隆『…………悪い、無理』



臣『んだよ、教えてくんねーならAに聞くから』







途端に慌て始める隆二。


もう思い出させたくない、
直接聞くのは勘弁して…と切ない声で漏らした。





でもあんなになるまで泣いたなんて
俺も気になるし、知りたいと執拗に責める。





すると隆二が重っ苦しい溜め息をついて。

絶対言うなよ?と
何度も何度も念を押して。

無言で頷く俺に静かに話始めた。




言葉を発しながら額に青筋を這わせ。

力の籠った拳からは
太い血管が見え隠れしてた。






隆『………そんで話終わってからはすっげー疲れたみたいで寝ちゃって…

二時間位ずっと…そのまま抱き締めて…
初めて人に話したって……
まだ起きないし…相当きたんだよ…』









臣『………だろうね…』



隆『その記憶…消してやれたら良いのに…』









部屋中に重っ苦しい空気が立ち込める。



やがてそれは沈黙という名の
静寂へと姿を変えた。





俺と隆二はただ傍で
ただ見つめる事しかできなかった。



すやすや安心しきったように
寝入るAの姿を。

47..臣side→←45..臣side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (427 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
976人がお気に入り
設定タグ:三代目jsoulbrothers , 今市隆二 , 登坂広臣   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

sana(プロフ) - SAYAKAさん» どうも有り難うございますっ(*ノェノ)!! (2016年1月19日 15時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
SAYAKA - 良かったです (2016年1月19日 15時) (レス) id: d7ea995e76 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - ユキさん» 有難うございますっ(*´ェ`*)!!永く永く奥底に沈めていた記憶。隆二くんの優しさに包まれ涙がぽろぽろと…(;_;)メロメロ嬉しいですー!!熱優男隆二くんにこれからも翻弄されちゃって下さい(*ノェノ)♪ (2016年1月11日 12時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 隆二と主人公の場面の泣いちゃうトコロ感動しました^o^☆★隆二がやさしすぎてメロメロですよ〜(^○^)☆ (2016年1月11日 11時) (レス) id: 2f43933571 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - きゃなさん» わぁーコメント有り難うございますっ(*^^*)最後まで読んで下さって感謝です!!隆二さん‘ならこう言うかな?と考えながら書いてるのでその言葉染みました(*゚0゚*)同じく隆二さんの優しさにときめいてます!笑 (2015年8月28日 19時) (レス) id: f6de7066af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:sana | 作成日時:2015年8月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。