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「じゃあお言葉に甘えて…お願いします」
隆『……んと…捲ってもらって』
「あ、そうですよね…」
マキシワンピの裾を持ってそろーっと捲ると、
昨日の跡が赤く姿を現した。
そして今市さんがシートを遠慮がちに乗せてきて。優しく沿うように圧をかけてくれる。
気持ちの良いひやりとした感覚が
滑らかに広がった。
そして今市さんは私の隣に
そっと腰を下ろすと
ちょっと聞きたい事が、と呟いた。
顔を傾けると、
今市さんは深刻そうな表情で佇んでいて。
無意識の内に身体に力が入る。
そしてすぐ。
今市さんの口から出てきた言葉に
耳を疑った。
隆『臣と、何かあった…?』
…臣さん?
な……ぜ??
そもそも何かあるほど私…
臣さんの事私知らない……
予想外の発言すぎて
すぐ言葉が見つからなくて…
戸惑いが隠せない。
何を…どうしたらそんな…
隆『部屋にいったら…今着替えてるって臣に言われて…』
「そ、そ、それは…!」
そう、完全なる誤解。
私があんな格好で飛び出したから
必然的にその言葉が出てきただけであって。
決してそんな大人な情事は…
「って、ちょっと!近いです今市さん!」
隆『やっぱ俺には言いずらい?』
は、話をっ………///
いつの間にか吐息さえも感じる距離で。
私の視界は一瞬で
今市さんで埋め尽くされて
一瞬で身体中が熱を帯びる。
もうこの距離感に耐えられなくなって
私は滑るように後ろへ腰をずらした。
隆『俺が臣の知り合いだからとかは考えないで?本当の事……知りたいから』
ご、誤解……
あまりの恥ずかしさに言葉を詰まらせながら
洋服の裾をぎゅっと掴む。
私のしどろもどろな説明を聞いた途端、
今市さんは力が抜けたように
深いため息を一つ残すと。
隆『俺、もしかして臣が何かしたんじゃないかって……』
「そ、そんな事されてないです!」
私のあの行動一つで。
臣さんに濡れ衣を着せる形になり、
今市さんにも誤解を招き、
しなくてもいい心配をさせてしまった。
そんな事実にいたたまれなくなって
今市さんに向かって必死に頭を下げ、謝った。
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sana(プロフ) - SAYAKAさん» どうも有り難うございますっ(*ノェノ)!! (2016年1月19日 15時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
SAYAKA - 良かったです (2016年1月19日 15時) (レス) id: d7ea995e76 (このIDを非表示/違反報告)
sana(プロフ) - ユキさん» 有難うございますっ(*´ェ`*)!!永く永く奥底に沈めていた記憶。隆二くんの優しさに包まれ涙がぽろぽろと…(;_;)メロメロ嬉しいですー!!熱優男隆二くんにこれからも翻弄されちゃって下さい(*ノェノ)♪ (2016年1月11日 12時) (レス) id: ce7a44bede (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 隆二と主人公の場面の泣いちゃうトコロ感動しました^o^☆★隆二がやさしすぎてメロメロですよ〜(^○^)☆ (2016年1月11日 11時) (レス) id: 2f43933571 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - きゃなさん» わぁーコメント有り難うございますっ(*^^*)最後まで読んで下さって感謝です!!隆二さん‘ならこう言うかな?と考えながら書いてるのでその言葉染みました(*゚0゚*)同じく隆二さんの優しさにときめいてます!笑 (2015年8月28日 19時) (レス) id: f6de7066af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sana | 作成日時:2015年8月7日 0時