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-VN
「ハンソラ、スンドゥブ食べに行かない?」
VN「はい?」
Aヒョンと気まずい空気になったあの日から約1週間。
と言っても、気まずいと思っていたのは俺だけで Aヒョンは何事もなかったように接してくれていたけれど。
それでも話すことといえば 業務連絡のような 言わば必要事項だけで、1度も世間話というものをしていない。
それが、いきなり。練習が終わって、もう帰ろうという時に。
スンドゥブ?いきなり?
スンドゥブは正直好物だけど、その話はAヒョンにはしていない。
何ならスングァンにも言っていないから、どうやってもこの人の耳に入ることはないはずなのに。
そのまま断れず、結局Aヒョンに半ば強制に連行されるような形で 事務所から徒歩10分ほどの距離にあるスンドゥブ専門店に連れていかれた。
「ハンソラ何にする?ちなみにね、俺のおすすめはチーズスンドゥブの辛さMAXだけど、辛いの苦手だったら2か3がいいと思う」
VN「じゃあチーズスンドゥブの辛さ3で…」
気付けば、目の前で湯気を立てている美味しそうなチーズスンドゥブ。
そのまた奥には、いかにも辛そうな真っ赤なスンドゥブを美味しそうに食べるAヒョンの姿。
ふっと目が合うと、不思議そうな顔をされる。
「食べないの?冷めると美味しさ半減するよ」
VN「いただきます…」
ピリッと効いた辛さがちょうどよく、チーズのまろやかさも相まってかなり美味しかった。
他の店舗よりは少し量が多めなところも、食べ盛りからすれば嬉しい。
VN「ヒョン、スンドゥブ好きなんですか?」
自分でも不思議なほど自然に出た言葉。
美味しい食べ物の前では気まずさも敵わないのか、まるで元から仲が良かったかのように聞く。
「うん。ずっとここ来たかったんだけど、誰誘おうか迷ってたんだよね」
VN「何で俺誘ってくれたんですか?」
「なんとなく、直感的なのでハンソラはスンドゥブ好きなんじゃないかって思った」
VN「あぁなるほど…」
俺の返答に、Aヒョンは意外そうな、でもどこか分かっていたような笑いを溢す。
VN「なんですか?」
「いや、普通直感とか言ったら え? みたいな反応されるじゃん。ハンソラ普通に受け入れたからさ」
VN「別に…直感的な感じ、俺もたまにありますよ」
「だよね。でも誰に言っても中々理解されない」
VN「ですよね」
お互いの意外な共通点に少し驚きながら、手は止めずにスンドゥブを食べ続ける。
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揚羽(プロフ) - はにわさん» この作品以外もお気に入り登録してくださっているなんて…!感謝感激何ちゃらです!笑 この作品含め他の作品も、どうか今後もよろしくお願いします!♡ (5月1日 14時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - シヒさん» ありがとうございます!時々雑談目的で帰ってくることもあるので、お暇があるときに覗いていただければ嬉しいです^^ (5月1日 14時) (レス) @page31 id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
はにわ(プロフ) - お気に入り登録していた作品が一気に公開されたのでなんでかなって思ってたら全て作者様のものでした!少し寂しい気持ちもありますが、受験頑張ってください!やはり人生の壁の一つですね。悔いの残らないよう最後まで頑張ってください!応援しています! (1月14日 22時) (レス) @page30 id: 5308802bda (このIDを非表示/違反報告)
シヒ(プロフ) - しっかりとした目標を持ち勉学に励む作者様を尊敬します。陰ながら応援しています!来年の春また会えることを楽しみにしています。 (1月14日 22時) (レス) @page30 id: ccff3e8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - (名前)ひなたさん» ありがとうございます😌 (6月25日 19時) (レス) id: 48d0ed6c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:揚羽 | 作成日時:2023年5月28日 22時