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「俺ミンハオ除けば一番最近入ったんだよね。そんなに年数変わんないから、気にせず何でも聞いて。答えられないこともあると思うけど」
母国語とする僕が聞いても違和感がないほどに流暢な中国語。
中国語の発音は特殊で、話せるようになるのはかなり難しいはず。耳が良いのだろうか。
ただ、言語が分からないのはかなりまずい状況だと思う。
今の僕では、何を言われても一切分からない。
いつまでもジュンさんやAさんと一緒にいるわけにはいかないし…。
その後すぐ、ジュンさんとAさんがウォヌさんに呼ばれ、離れていった。
僕は練習室の隅でただ見ているだけ。
こんな状態で、これからやっていけるのかという不安が広がった。
HS「ダンス練習始めるから各自位置ついて」
スニョンさん?が何かを言うと、その言葉が合図のように皆が集まりだす。
そんな中、僕は一人何も分からずオロオロと焦っている。
中国語が分かる2人に聞こうと思っても、生憎トレーナーにちょうど呼ばれているらしく、練習室にいない。
HS「何やってんの。今日から参加するんでしょ。早く位置ついて」
スニョンさんの鋭い目が僕を捉える。
良い感情の言葉ではないことは分かるが、それ以外は何も分からなかった。
恐らくダンス練習をするのだろうが、僕は振りを教えてもらっただけでフォーメーションなどは一切知らなかった。
床に貼られた大量のテープが誰の動線なのかさえ区別がつかない状態だった。
練習室の扉が開き、ジュンさんとAさんが戻ってくる。
JN「あれ、もう始めるの?」
HS「今日パート練習の時間ちょっと長めにとりたいから」
「ミンハオは?今日から入るの?」
HS「俺はそう聞いてるけど」
会話は分からないが、スニョンさんはAさんのことがあまり好きではないのか、妙に素っ気なかったように感じた。
視線をこちらに向けたAさんと目が合う。
「ミンハオ、フォーメーションのこと聞いてる?」
MH「いえ、何も…」
中国語で会話をする僕とAさんを、少し不機嫌そうに見るスニョンさん。
「スニョン、ミンハオ動線知らないから先に説明しないと」
HS「え、なんで知らないの?先に教わらなかった?」
早口で捲し立てるような物言いに、自分が責められているような気がして身が竦んだ。
謝ろうにも、謝罪の言葉さえ分からない。
自己紹介だって、ただ文字を暗記しただけで意味など一切分かっていなかったのだ。
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揚羽(プロフ) - はにわさん» この作品以外もお気に入り登録してくださっているなんて…!感謝感激何ちゃらです!笑 この作品含め他の作品も、どうか今後もよろしくお願いします!♡ (5月1日 14時) (レス) id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - シヒさん» ありがとうございます!時々雑談目的で帰ってくることもあるので、お暇があるときに覗いていただければ嬉しいです^^ (5月1日 14時) (レス) @page31 id: dc7b6890ce (このIDを非表示/違反報告)
はにわ(プロフ) - お気に入り登録していた作品が一気に公開されたのでなんでかなって思ってたら全て作者様のものでした!少し寂しい気持ちもありますが、受験頑張ってください!やはり人生の壁の一つですね。悔いの残らないよう最後まで頑張ってください!応援しています! (1月14日 22時) (レス) @page30 id: 5308802bda (このIDを非表示/違反報告)
シヒ(プロフ) - しっかりとした目標を持ち勉学に励む作者様を尊敬します。陰ながら応援しています!来年の春また会えることを楽しみにしています。 (1月14日 22時) (レス) @page30 id: ccff3e8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - (名前)ひなたさん» ありがとうございます😌 (6月25日 19時) (レス) id: 48d0ed6c97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:揚羽 | 作成日時:2023年5月28日 22時