2 ページ6
カン────･･･
カン────･･･
低い金属音を鳴らして、ふらりふらりと一段ずつ踏みしめながら階段を登っていく
上に上がるにつれ、いつもなら絶対しないはずの磯の香りが漂ってきた
頭を上げると、微かに開いている屋上の扉が見える。
･･････塚内さんかな。オール・フォー・ワンの情報に期待してわざわざ来たのかもしれない
金物を切るような音を立てながらそれを開けると、ひんやりとした夜風にあおられる
その先には、暗闇でも映える真っ赤な羽。
「────お疲れ様、A」
わたしの気配に気がついたのか、鉄柵に手をかけこちらを振り向いた
「何で･･･ここにいるの、啓悟」
すると啓悟は微笑を浮かべ、けど目が笑ってないままこちらに歩いてくる。
「様子見に来たんだ。最近頑張ってるからさ･･････俺に内緒で
「･･････」
それは･･･わたしが荼毘と接触するためにちょっと事件を起こしてたことか。うん、絶対そう
というか、それを言うためだけにこの海のど真ん中まで飛んできたの？
「心配になるから、報告連絡は絶対･･･って言ったよね俺」
「ん･･････」
昔から、ずっと言われ続けてるけど守ったためしがない
･･････やっぱり怒られちゃうかな･･･
目の前まで来た啓悟をチラッと見上げる。
「･･････」
「･･････」
お互い黙ったままだったけど
やがて啓悟は脱力するように息を吐くと、呆れたように笑った
「･･････もー･･･そんな顔されたら怒れないじゃん」
･････････そんな顔ってどんな顔･･････？
「･･････啓悟、怒ってる？」
「怒ってないよ。ただAが心配だっただけ」
「ほんと？」
「ほんとだよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
11才のバカ - オール・フォー・ワンの結末マジ気になるんだけどこれから更新されるかな…？ (2023年5月8日 22時) (
レス) @page21 id: 470dc29d1f (このIDを非表示/違反報告)
ベル - えっ､､めっちゃ続きが気になります､､!更新頑張ってください！！！！ (2022年11月5日 21時) (レス) @page1 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：一 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年2月19日 14時
