山椒は小粒でもピリリと辛い【天童覚】

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「アレ、若利くんのお気に入り

交代しちゃったよ？」



すでに20点台に乗り、試合も大詰め


そんな時に選手交代

なんで？


別に不調とは思えない、むしろ絶好調




「なんだその不満そうな顔は」


「地顔です」



そんな会話がベンチから聞こえてきた


「地顔なのか」

「いやどう見ても不機嫌な顔ですね」


若利くんよ、天然にも程があるよ

賢二郎、いちいち冷静にならないで




今の状況、ぶっちゃけまじツボ



「天童震えてるぞ」

「ヒャハハハ」


獅音の忠告も虚しく


まじで、笑っちゃったよ、マジで





「たまには後輩に譲ってやれ」


「いつもの間違いじゃないんですか

いい加減、そういうのやめてほしいです


これならでない方がマシ」



冷たい目で監督を見下ろすカノジョ


そんなに背は高くないはずなのに

威圧感？


すっごい感じる


おかげで笑いも収まっちゃった



「あ〜あ、折角の120点が名前無しで0点

このままじゃ、負けますよ」


「黙ってベンチに戻れ！」




いつも若利くんと一緒だから

あんまり意識したことなかったケド



コイツ、すっげえ自信持ってる



若利くんが嫌いな

"根拠のない自信"じゃなくて


ホントの、"自信"




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