Million Reasons【モンキー・D・ルフィ】 リクエスト・マリコさん ページ9
逃げる理由なら、何千だってあったのになぁ。
「A！！」
驚いたあなたの顔が見える。悲鳴のようなあなたの声が聞こえる。お腹には焼けるような痛みを感じている。
(あぁ、何してんだろ)
ネコネコの実、モデル・クロヒョウを食べた私は、身体能力には自信がある。ルフィよりもとは言わないけれど、体は小さい分そこそこ素早いし、動体視力だって高い。だから、彼に迫る刃がよく見えた。
ロビン姉さんは、遠くの相手に気をとられてる。他の皆もそれぞれの敵と精一杯戦ってる。誰も、気が付いていなかった。
だから、飛び込んだ。飛び込んでしまった。
「ちゃんと、気をつけなきゃ…だめ、だよ…」
そこで、私は意識を失った。
気が付いたら、船のベッドの上だった。どうやら、生きているらしい。麻酔のせいでまだぼうっとする意識の中で、あの瞬間のことを思い出していた。
どうして、私はあの時ルフィを助けようとしたのだろう。考えれば考えるほど、逃げる理由はいくらでも出てきた。ルフィは強いことくらい、私はわかってるのに。
(それでも、私はルフィが傷つくのを見たくなかった…)
そこで、ああ、と思い至る。いつか、ロビン姉さんが言っていた。「あなたは、きっとそういう気持ちを経験してね」と微笑んでいた。あの時は、何をバカな事を、と思っていた。
「A！？意識が戻ったのか！？」
目を開けた私に気が付いたのか、チョッパーが叫んだ。みるみる大きな目からビー玉みたいな涙があふれる。
「Aが起きたのか！！？」
勢いよくドアが開く音がした。ゆっくりとそちらを見れば、息を切らしてこちらを見つめるあなたがいた。ずんずんとこちらに近づいてくると、いきなりあなたは頭を下げた。
「ごめん！！」
「え…？」
「おれ、お前を守るって決めてたのに、こんな怪我させちまった…！」
「…私も、ごめん。あなたが傷つくのが嫌だったから、あんなことをして…」
余計なお世話だったかな、と呟く私に、ルフィが勢いよく首を振った。
「お前が傷つくのは嫌だったけど、その気持ちは嬉しい！」
ニカッと笑ったルフィが、私の手を握る。
「でも、もうすんなよ。お前がいなくなるのは、嫌だ！」
そう言って、ルフィは何気ない調子で付け加えた。
「だって、Aのこと好きだからさ」
冗談、と言おうとした私の唇を、あなたの唇が塞ぐ。その目は、初めて見る光を宿して見えた。
「本気だぞ、おれ」
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りと(プロフ) - 箱さん» お返事が遅くなってすみません！箱さん、こちらこそ素敵なコメントをありがとうございます。最近なかなかいい作品が出来ていなくて心苦しいところですが、これからも応援していただければ嬉しいです！ (5月15日 1時) (
レス) @page26 id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月23日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 逆叉さん» 逆叉さん、初めまして！お返事がとんでもなく遅くなってしまい、申し訳ありませんでしたm(__)mリクエスト、承りました！しばらくお時間をいただきますが、よろしくお願いします(^^♪ (2022年11月21日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
逆叉(プロフ) - 初めまして！りとさんの書き方大好きで、気に入ったお話を何度も読み返しています…(*^^*)もしよろしければ、三馬鹿船長のロー、キッド、ルフィで夢主と絡ませて欲しいです！3人では大変でしたら、この中の誰かだけでも大丈夫です！ご検討頂けたら幸いです。 (2022年10月10日 23時) (レス) id: 6858122218 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうなぎ(プロフ) - 本当に素敵な作品でした！ スマートにあれこれと優しく気を回してくれるサンジくんのラストのセリフが「好きだ」と真っ直ぐなのがとてもたまらないです！今回もありがとうございました。 (2022年9月23日 22時) (レス) @page21 id: ca7d16e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2021年8月13日 2時
