きっかけ【サボ】 ページ3
話すきっかけは、いつも彼から。
「お、美味そうだな」
今日のメインディッシュの付け合せをフォークで突き刺したところで、頭上から声がした。ふと顔を上げると、ニコニコと笑う彼と目が合う。
「…！サボ、さん…！」
思わずフォークを置いた私に｢気にしないで食え｣と笑うと、彼は目の前の席を指さして首を傾げた。｢座っていいか？｣と聞いているらしい。
「…どうぞ」
そう言うと、彼は嬉しそうに目の前の椅子に座った。そんな彼の手には、コーヒーカップが握られているだけだ。
「サボさん、お昼食べないんですか？」
「ん？あー…もう食った」
ちらりと机の上に置いていた懐中時計を見ると、時間はお昼ご飯には少し遅い。｢この時間ならそうか｣と思いながら、私は懐中時計を閉じた。
「そういや、今日は昼飯が遅いんだな。何かあったのか？」
「あ、少し報告が長引いてしまって…」
「この前の潜入捜査のやつか、お疲れ様」
そう言って穏やかに笑うサボさんに、少しドキドキしてしまう。なんだか気恥ずかしくて、私はそっと皿の上の鳥のローストに視線を移した。
「…食わないのか？」
「え？あ、いえ！食べます！」
慌ててナイフとフォークを持つと、なんとかローストを切り分けて口に運ぶ。
(あ、美味しい…！)
思わず頬がほころんだ瞬間、ふと目の前のサボさんと目が合った。
「！」
「お前、美味そうに飯食うよなぁ…」
そう言うサボさんの目は、すごく優しい目をしていた。その目にまたドキドキしてしまう。
「そ、そういえば！サボさん、お時間は大丈夫なんですか？」
話を変えようとそう言うと、サボさんの顔が僅かに曇る。
「A、俺と飯食うの嫌か？」
「え！？そんな事ないですけど……ただ、ここで時間さいていいのかな…とは……」
普段、サボさんが食堂にコーヒーを取りに来ては、自室に持って帰っているのは知っている。多忙な人だし、書類仕事に追われているから、のんびり飲んでいる暇はないのだ。だが、今は私の前に座ってのんびりとコーヒーを飲んでいる。
「…鈍いな」
コーヒーをひとくち飲んだサボさんが、不意にそう言ってカップを置いた。微笑んでいるが、さっきまでの穏やかさは無くて、どこか大人っぽさを感じる。
「ここでAと話すために時間を割いてるのも、見かける度に声をかけてるのも…」
ずいとサボさんが私に顔を近づけた。
「お前に俺を好きになってもらいたいから、なんだが」
Half The World Away【シャンクス】→←嫉妬深いから【コラソン/ドンキホーテ・ロシナンテ】リクエスト・こゆさん
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りと(プロフ) - 箱さん» お返事が遅くなってすみません！箱さん、こちらこそ素敵なコメントをありがとうございます。最近なかなかいい作品が出来ていなくて心苦しいところですが、これからも応援していただければ嬉しいです！ (5月15日 1時) (
レス) @page26 id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月23日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 逆叉さん» 逆叉さん、初めまして！お返事がとんでもなく遅くなってしまい、申し訳ありませんでしたm(__)mリクエスト、承りました！しばらくお時間をいただきますが、よろしくお願いします(^^♪ (2022年11月21日 0時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
逆叉(プロフ) - 初めまして！りとさんの書き方大好きで、気に入ったお話を何度も読み返しています…(*^^*)もしよろしければ、三馬鹿船長のロー、キッド、ルフィで夢主と絡ませて欲しいです！3人では大変でしたら、この中の誰かだけでも大丈夫です！ご検討頂けたら幸いです。 (2022年10月10日 23時) (レス) id: 6858122218 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうなぎ(プロフ) - 本当に素敵な作品でした！ スマートにあれこれと優しく気を回してくれるサンジくんのラストのセリフが「好きだ」と真っ直ぐなのがとてもたまらないです！今回もありがとうございました。 (2022年9月23日 22時) (レス) @page21 id: ca7d16e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2021年8月13日 2時
