ひと休み(クザン) リクエスト・オバンさん ページ15
ーカリカリカリカリ…
貴「…。」
私のペンを走らせる音が部屋に響く。
外から訓練兵たちの号令が時折聞こえてくる。
貴「ん…」
ようやく8割は終わった。
その場で大きく伸びをする。
貴「…さてと。」
また、ペンを持った時だった。
「頑張ってるじゃないのー。」
ヒヤリとした冷気と共に、聞き慣れた声が頭上から聞こえてきた。
貴「…クザンさん。」
青雉こと、私の上司のクザンさん。
青「A、書類大変そうだな。お疲れさん。」
貴「誰のせいと思ってるんですか。」
そう、私がこんなにたくさんの書類を片付けているのは目の前の上司のせいなのだ。
貴「…本来なら今日は休みだったんですから。」
遺憾の意を込めてクザンさんを見る。
青「まあ、ドンマイだな。」
貴「…。」
この野郎…。
青「そうだ。その書類っていつまでの？」
貴「えっと…今週末までですね。」
青「なら、あと2日か。」
貴「クザンさん…やっと書類を…」
青「ちょっとデートでもするか、A。」
貴「…え？」
クザンさんの一言にポカンとする。
青「最近、いい酒場を見つけたんでな。一緒にどうよ？」
え、酒場？
貴「クザンさん、書類は？」
青「明日でもいいんじゃない？」
貴「でも…」
青「そんなにこんつめてもダメだって…な？上には上手く言っとくからさ。」
確かにやりすぎもよくないかもな…。
ちょっとくらいひと休みしても…悪くないよね？
ー酒場ー
貴「…。」
美味しい。
青「お、気に入ってくれたか。」
小さく頷く。
青「そりゃあ良かった。」
そう言ってポンポンと頭を撫でるクザンさん。
青「…少し話を聞いてもらえねェか？」
クザンさんがグラスを傾ける。
貴「私は構いませんけど…。」
クザンさんが少しお酒を飲んだ。
青「…実は今好きな女が居てな。」
貴「え？」
唐突な一言に驚く。
青「そいつァ海軍の奴なんだが、仕事に一生懸命でな。いい部下なんだが、どうも堅いやつなんだ。」
誰のことだろう？
クザンさんが口説いたことのある人？
いや…たくさんいてわからないな。
青「しかも、どれだけアピールしてもダメ。全く大した女だよ…。」
自嘲気味に笑うクザンさん。
貴「その人って私の知り合いですか？」
青「ああ、お前がよく知ってる奴だ。」
首をかしげる私に、クザンさんが優しく笑った。
ーお前だよ、A。
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カノン(プロフ) - りとさん» ありがとうございます！お願いします！ (2015年4月24日 18時) (
レス) id: a1e2e6e512 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - スペードさん» 感想ありがとうございました！ジンベエ楽しかったです！ (2015年4月24日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - モンブランさん» いえいえ、どういたしまして！楽しかったです！！ (2015年4月24日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - カノンさん» お久しぶりです！リクエスト了解しました！ (2015年4月24日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ガナッシュさん» リクエスト了解しました！早く書き上げますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2015年4月24日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2014年12月16日 23時
