初めて【ポートガス・D・エース】 ページ17
初めての気持ちだった。
「マルコ、次の補充ポイントのことなんだけど…」
「うん？」
海図を片手に話し合う二人は、あと一歩近づけば肩が触れ合いそうな距離にいる。二人が幼い時から共にこの船で兄妹のように育ってきたことは知っているが、俺の気持ちは複雑だった。
「…なあッ！！」
堪えきれなくて、俺はつい二人の間に割って入っていた。
「ん？なんだぃ、エース？」
「どうかした？」
不思議そうにこちらを見るふたりに一瞬言葉が詰まる。勢いで飛び込んだはいいものの、まるで考えなしだった。慌てて話題を探して、無難な問いを投げかける。
「二人で何の話してたんだ？」
「何って…次の島での補充の相談よ」
「次の島では物資はあまり期待できないらしくてねぃ」
「へえ…そう、なのか」
「普段は気にしないのに…急にどうしたの？」
Aはそう言って笑うと、また持っている海図に視線を戻した。その間に、マルコが意味有りげな視線を俺に向ける。
「A、この件についてはこちらでも考えてみるよぃ。何とかできねェか検討する」
「わかったわ。頼むわね」
そう言うと、Aは海図を抱え直して俺たちに背を向けて行ってしまった。
変なやつに見られただろうか。Aに嫌われてしまっただろうか。
普段なら気にもしないことが、初めて頭をよぎる。
「エース」
マルコの声に顔を上げると、マルコはすこしだけ口角を上げAの歩き去った方を見た。
「Aはモテるよぃ？」
「…だろうな」
「あいつに告白しようなんて奴の噂もチラホラ聞いてるんだがねぃ」
「…！」
そりゃそうだ。美人で、海賊王の息子である俺の事ですら躊躇いなく受け入れてくれる…そんな奴が他の人間から好かれないわけない。
何も言わない俺に、マルコが視線を戻す。
「…誰かに取られちまうかも、しれないねぃ」
「─！！」
俺はマルコの言葉に弾かれるように駆け出していた。
(Aが誰かのものになるなんて、嫌だ…！)
がむしゃらに走って、Aがいそうな場所を片っ端から当たる。
「A！！！」
ようやく見つけたAを呼んだ。
「…！？」
大声に驚いたのか、目を丸くしてAがこちらを向いた。
今の関係が壊れて、辛い思いをするかもしれない。でも、Aを誰かに取られる方がきっと辛い。それに、俺は悔いを残さないと決めたから。
俺は深呼吸して、口を開いた。
「お前が好きだ…！！」
酒の味【シャンクス】→←I choose you【ペロスペロー】 リクエスト・白神さん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 347人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りと(プロフ) - こゆさん» お返事が遅くなってしまい、すみません<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせて頂きますねヽ(*^^*)ノ (2021年8月11日 19時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 夢主がロシナンテと女性が仲良さげに話していて嫉妬する話を見て見たいです！ (2021年8月9日 23時) (レス) id: 0874e209a6 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - マリコさん» マリコさん、リクエストありがとうございます！しかし、残念ながらこのリクエストは受けられません…すみません<(_ _)>プリキュアに関する知識がないことや、私自身の地雷に抵触する部分がありますので…|ω･`)他の短編集でのリクエストをオススメします(´∀｀*) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(^^♪修正・加筆後に、また新たなお話を追加していく予定ですので、待っていていただければ嬉しいです(*´∀｀) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(>人<) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りと | 作成日時：2018年1月16日 22時
