1／1【ポートガス・D・エース】 ページ39
誕生日が嬉しい日だと思ったことなんてない。
「へぇ…あんた、今日で二十歳になるの…ッて、ええッ！！？今日が誕生日！？」
素っ頓狂な声をあげるAに、俺は「なんだよ」とケタケタ笑った。
「言ってなかったか？」
「聞いてないわよ！！」
そう怒鳴ると、空になった酒瓶を放り投げAが頭を抱えた。遠くでガコンとビンがゴミ箱に落ちる音がする。
「も〜！！そうって知ってたら、サッチと相談してメニューを変えてたのにっ！！」
「…？あのワノ国のオセチ？っての？美味かったぜ。見た目も綺麗だったし」
「当然でしょ！」
そう怒鳴ると、Aは時計を睨んで、突然立ち上がった。
「…上等！時間が無かろうが、白ひげ海賊団のコックの意地を見せてやろうじゃないの…」
「いや、いいよ。俺ァ別に…」
(祝われるような身分でもねェ)
そう言いかけて、俺はちょっと口をつぐむ。そんな俺に気づいていないらしいAはずいっと顔を俺に近づけた。
「良い訳ないでしょうが！！」
そのAの剣幕に思わず息を呑んだ。
「食べたいもの、言いな！」
「え、いいのか！？」
普段は食事の時間以外に「腹が減った」と言っても、「我慢しろ」と言うのがAだ。
「特別！」
そう言って微笑んだAの顔に心臓がはねた。
(なん、だ…今の…？)
「なに？リクエストもないっての？」
顔をのぞき込むAにハッとして、俺はちょっと笑った。
「ハハ…いや…お前の料理はどれも美味いからさ」
「そう言われれば、そうね…」
そう言ってAは「ちょっと待ってな」と、キッチンに走っていった。
1時間も経たないうちに、Aは俺の前にスープ皿とケーキの乗った皿を置いた。あの日貰ったスープと同じ匂いがする。
「材料無くてさ、これくらいしか作れなかった。悪いね」
「いや…いい。」
ちょっと飲むと、懐かしい味が口の中に広がった。じん、と目の奥が熱くなる。
「…私も大嫌いだったよ、誕生日。いい思い出が無くてさ」
「え…」
クシャッとAが笑う。
「でも、今は好き。なんだかんだで祝われると悪い気はしないしね」
だから、とAは優しく微笑んだ。
「家族の誕生日くらい、ちゃんと祝わせてよ」
そう言うAの微笑んだ顔が、優しくて、暖かい。その微笑みにどうしようもなく胸がつかえて、じんとして、俺はちょっと俯いた。
ぽた、と机に水滴が落ちる。
「誕生日おめでとう、エース」
Bitter 【ドンキホーテ・ロシナンテ】→←煙草【サンジ】
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りと(プロフ) - こゆさん» お返事が遅くなってしまい、すみません<(_ _)>リクエスト承りました！ここではお話がいっぱいになってしまいましたので、続編の方で書かせて頂きますねヽ(*^^*)ノ (2021年8月11日 19時) (
レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ - 夢主がロシナンテと女性が仲良さげに話していて嫉妬する話を見て見たいです！ (2021年8月9日 23時) (レス) id: 0874e209a6 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - マリコさん» マリコさん、リクエストありがとうございます！しかし、残念ながらこのリクエストは受けられません…すみません<(_ _)>プリキュアに関する知識がないことや、私自身の地雷に抵触する部分がありますので…|ω･`)他の短編集でのリクエストをオススメします(´∀｀*) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - 嫁子ちゃん。さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると、本当に励みになります(^^♪修正・加筆後に、また新たなお話を追加していく予定ですので、待っていていただければ嬉しいです(*´∀｀) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ☆kon☆さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです(>人<) (2021年7月31日 1時) (レス) id: 4416da2808 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2018年1月16日 22時
