女の子の日の話 ngo ページ3
｢ごめんきょうなし｣
句読点も何も無いメッセージに｢なるほど｣と頷いてから｢了解｣と返信し、財布とスマホをポッケにねじ込んで外に出た。
−−−−−−−−
｢おじゃましまーっす｣
使い慣れた合鍵を音が出ないようにゆっくりと回し、小さな挨拶をしてから、そろりそろりと足を進めればベッドの上にうずくまるA。
｢…け、い？｣
｢よっ!!｣
俺に気づき、｢…やっぱりダメな日だった。ごめんね｣と言うAの顔は青白い。
｢そんなん気にすんな。体調悪い時くらい休んどけって…デートなんて？これからも幾らでも出来るんだし｣
｢なんか食えたん？水分は？｣と聞けば、昨夜から何も口に入れていないとの返答。おい、もう昼過ぎだぞ？
｢さすがにやばい。とりあえずスポドリ飲め。あとは…ゼリーか、プリンか。温かいのが良かったらスープも買ってきた｣
｢ん…ゼリー食べる｣
｢了解。吐き気は？｣
｢だいぶ良い｣
本当、大変だよな…そう思いながら冷えたゼリーの蓋を開け、スプーンを手渡すと、ちびちびとゼリーを口に運ぶ。
｢無理すんな。食えるだけで良い｣
ゼリーが半分ほど減ったところで動きの鈍くなる手。
Aの事だ。どうせ折角買ってきたから残すのは悪いなんて思ってたんだろう。
Aの手から容器とスプーンを受け取り、あっという間に空にする。
｢ありがと｣と言葉にするAは、やはりまだ辛そうだ。
｢薬、飲むか？｣と聞けば頷くので常備薬の入っている棚から二錠取り出し、ついでにキッチンで水を注ぐ。
空いた口に錠剤をつまんで入れてやれば、コップに口をつけた後、大きく喉がコクリと動いた。
｢とりあえず、寝とけ｣
起こしていた体をゆっくりと寝かせ、二人で寝るには狭いベッドに無理やり自分の体もねじ込む。
｢景、狭い｣
｢いーだろ？こうしてさ、くっついてお腹さすってたら、ちょっとは楽になるだろ？｣
｢…ありがと｣
ゆっくりとお腹をさするリズムにAは疎か、俺も眠くなってきて。
Aが次に目を覚ました時には少しでも顔色が良くなってたらいいと思いながら瞼を下ろした。
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さと(プロフ) - 歯車の国民さん» 歯車の国民様ありがとうございます。全然書けていないのに、感想頂きとても嬉しいです。もう少しだけリアルに余裕が出来たら書きたいと思っていますので、その際はまた読んで頂けましたら幸いです。 (2022年4月14日 19時) (
レス) id: ad8bfed086 (このIDを非表示/違反報告)
歯車の国民 - 日常にある小さな幸せを覗いているみたいですごく幸せになれました。あなた様の書くngoが大好きです。 (2022年4月10日 19時) (レス) id: 9efffd34d8 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - 麻種るの様ありがとうございます。自分の妄想を満たすために書き始めたのですが、こうしてコメント頂けると嬉しいものですね。これからも楽しんで頂けますよう頑張りますので、また覗いて頂けると嬉しいです。 (2021年10月25日 15時) (レス) id: ad8bfed086 (このIDを非表示/違反報告)
麻種るの(プロフ) - ふとした日常のワンシーンから滲み出る糖度の高さに胸を踊らされ、思わずコメントを送ってしまいました。好きです、応援しています、頑張ってくださいっ……！！！ (2021年10月25日 0時) (レス) @page8 id: 894adc3849 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - lemonaziさん» lemonazi様ありがとうございます。とりあえずタグ変更してみました。感想もありがとうございます。gnに髪乾かしてもらいて〜と思いながら書いたので嬉しいです… (2021年10月23日 1時) (レス) id: ad8bfed086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さと | 作成日時：2021年10月14日 19時
