検索窓
今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:13,376 hit

58 ページ10



二人とも見たい場所を見終えたので、ショッピングモールを後にした。

「次どこ行く?」

『近くの公園?』

「場所のチョイス面白い」

そう言って悟は笑った。

『そんなに面白い?』

「面白いわ」

『別の場所にする?』

「いや公園行こう。久しぶりに行ってみたいし」

『じゃあ行こ!』

そう言って手を繋ぎながら公園へ向かった。


『意外と疲れちゃったな』

公園に着いてすぐベンチに腰掛けた。

「俺は全然だけどお前は入院してるんだし体力なくてもしかたねーだろ」

『悟も入院したらこうなっちゃうかもよ?』

「笑えない話だからやめてくれ」

悟が引き気味にいう姿がとても面白くて思わず笑ってしまった。

『ほんの少しの遊び心、なんてね〜へへ』

「まじ笑えなさすぎてびびったわ」

『えへへ……てか見て!悟!』

その呼びかけにふいっと視線を正面に向ける悟。

「うわ、めっちゃ綺麗」

『だね』

そう言ってこちらを向いて笑う悟は、夕日に照らされ、いまにも消えてしまいそうなくらい儚く見えた。

私は、そんな悟の肩をぽんぽんと叩いた。

「何?A」

『一ヶ月ありがとう。これからも好きでいさせてね』

そう言って先程、トイレに行ったと見せかけて買った銀色に光るネックレスを渡した。

「うっそだろ……」

『嬉しくなかった?』

「いや、違う。違うから……嬉しすぎて少しびっくりした」

照れからくる赤さなのか、はたまた夕日に照らされているからなのかよくわからないが悟の顔が赤い花のような色に染まっていた。

『喜んでくれたなら何よりだよ』

そう言った直後に悟が何かを思い出したように声を漏らした。

「ネックレス、貸して」

『え?良いけど』

そういって一回り以上大きい悟の手に私のネックレスを手に置いた。
刹那、色が白く透明感がある顔が近づいてきた。
その後、首に冷たい感覚が身体を走った。

「付いた。めっちゃ似合うじゃん」

『じゃあ悟も貸して』

そう言って悟の首にもつけてあげた。

『格好良い……なんか結婚したみたい』

「わかる」

そう言って顔を見合わせて微笑んだ。


「本当、A出会えて良かったよ」

『うん、私も。あの絶望からこんなに明るい未来に変えてくれた悟に出会えて良かった』


その言葉を合図にしたかのよう、夕日に照らされながら私たちは公園で口を重ねた。




59→←57



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
158人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 高専時代   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆず - お知らせ、把握です!私も来週テストです、、更新楽しみにしてます!! (2022年6月12日 20時) (レス) @page18 id: a570195afd (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - いつも更新楽しみにしてます (2022年6月9日 22時) (レス) @page17 id: 785825e28f (このIDを非表示/違反報告)
りりり(プロフ) - もう死んでしまうのに、こんな大切で別れたくない人に出会ってしまったと考えると涙がとまりません。 (2022年5月12日 1時) (レス) @page11 id: 1dca6ab714 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あまね x他1人 | 作成日時:2022年1月27日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。