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「よし…じゃあ、始めるよー」
授業でも始めるつもりかと思わせるような出だしで櫻井はホワイトボードをペンで叩いた。
「まず、最初に被害者の確認と行こうか。」
そう言って櫻井は、カバンの中からクリアファイルを出し、そこから被害者の写真のコピーを取り出した。
「この写真は、被害者の免許証から拝借して来た。」
写真のコピーをホワイトボードに貼り付ける。
「被害者の名前は、田辺 美香。どうやら近くの小学校で教師をしているらしい。」
コピーの下に田辺 美香と、少し荒い字体で書く。
「で、被害者の交友関係についてだけど…誰か調べた人いる？」
ペンを下ろして、櫻井はメンバーの方を見る。
「他に誰もいないし…俺しか調べてないのかな？」
松本が手を上げながら、起立する。
「よし、松潤。捜査報告をよろしく。」
櫻井にそう言われて、松本は頷き、口を開いた。
「えーっと…今回、被害者の交友関係について調べたんですが…被害者はあまり友人と呼べるような人はいませんでした。」
最先の不安を煽るような発言。
少しの間が空いた後、
「は？」
Aは思わず、大きな声を出す。
「ちょっと待って、どう言う事⁈」
「…馬鹿だなぁ」
若干のパニック状態であったAに、二宮は見下したように言う。
「教師の間でもいじめが起きている事を知らないの？」
と言って二宮はため息を吐く。
「えー？知らなかったー」
相葉の能天気な声が聞こえるが、ここは置いといて、
「いや…いじめるなって言ってる方がいじめってるのはおかしいでしょ…？」
少し震えた声でAは言う。
「ニノの言ってる事は正しいよ。」
冷静な声で松本は言う。
「ニノの言ってる通り、被害者は職員いじめの標的だった。つまり、誰が被害者にイラついて、いつ被害者を殺すかわからない状態だったんだ。」
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作者名：気の抜けた炭酸水 | 作成日時：2017年5月29日 21時
