知るべき事、知らなくてよかった事[ARS+Y] (ページ15)

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ずっと、大野の所にいても悪いとAは思ったのか、遺体のあった所から離れる。
しかし、どこへ行った方が良いのか。と、Aは首を傾げていたが、被害者の寝室のドアが開いていたので中へ入ってみる。
その中には被害者の寝室の本棚を漁る二宮の姿があった。
「なにしてんっすか。」
思わずAは二宮に質問する。
「なにって…日記とか、被害者に関わるのを探してるの。」
手に取った本を棚に戻しながら二宮は言う。
「だって、もう死んでるからね。いくら読み漁っても誰も文句言わないよ。」
被害者が生きていたらどんな顔をするのだろうと、Aは思った。
「んで、なにか収穫はありましたか？」
一応、Aは聞いてみる。
「ん…それらしき物があってさ。」
と、二宮は言って1番上の段から古びた本を取り出す。
「ちょっと、見せてよ。」
Aは、少し強引に日記らしき物を取ろうとする。
「無理。」
二宮は日記らしき物を頭上に上げて言う。
「だって、この本、鍵がないと開かない仕組みになってる。」
「は？」
Aは思わず顔をしかめた。
「だから今探してんの…その日記を開ける鍵を。」
と言って、二宮はため息を吐いた。
「見つかり次第、Aに連絡するよ。」
面倒臭そうにまた本棚から本を取り出す。
「わかった。頑張って。」
と、言ってAは被害者の寝室を後にした。