周りから見ると異質なあなたへ[N×Y] (ページ14)

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ある日の事だった。彼が夜に裏山へ向かってから朝になっても帰ってこなかった。
何かあったんだろうかなんて少し思った。
彼も大変だったんだなってその時は思った。

会社に行くと、同僚から、
「A、昨日、帰ってくる時襲われなくってよかったな」
なんて言って来た。
「余計な心配、ありがとうございます」
なんて無愛想な返事をした。
何故だかよくわからないが今日は早く帰された。
なんか、私の住んでいる地域で事件が起きたらしい。
これは丁度良いと思って、裏山に久々に行った。
頂上に行くコースを逸れ、死体置き場に行く。
匂いがキツイが、彼に会えるはずだと思うと、胸がワクワクした。
そして、死体置き場で彼とやっと会えた。
いや、正確に言うと、生きている彼じゃない。
彼は胸を刃物かなんかで刺されて死んでいる。
嘘だ。と思った。どうして彼が殺されなくちゃいけないんだと思った。
なぜか涙は出なかった。そして、私は最後にこう言った。

「ありがとう。そして…………おやすみ」