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冴に連れて行かれたのは小さな公園。
遊具は少なく、
一つベンチと自販機があるくらいの公園。
俺はベンチに座らされる。
「足みせろ」
「え、何で」
冴の言葉に咄嗟にそう返すと
冴はチッと舌打ちした。
そして何も言わずに俺のズボンをめくる。
「おいおいおい!!」
「黙れ」
現在時刻は夜八時半。
公園には俺達以外は誰も居ない。
だからと言って、無性だからと言って
恥ずかしくない訳じゃ無い。
冴の冷たい手が俺の患部に触れる。
(ちゃんとサポーターしてたのに
いつの間に外したんだよコイツは!!)
俺は心の中で叫ぶ。
「痛ぇか」
俺が合わせた両手を口元にあてていたからか
ふと冴が訊いて来る。
「痛くねえから。大丈夫だから」
最早泣きたくなってくるが
意地で我慢する。
しかしそんな俺の努力の結晶を
「嘘つけ。ずっと引きずってただろうが
つーか痛ぇなら卓球とかボウリングとかすんなよ馬鹿が」
「…」
言い返せない。
実際、自分から言った訳じゃ無いけど
力業でも口でも完敗してるし。
黙った俺を見て、冴はまた「フン」と言う。
そして俺の前にしゃがんだ
「餓鬼のくせに強がるんじゃねえよ」
オーラで「速く乗れ」と言う冴。
何故この歳で何度も
おんぶされなきゃなんねぇんだよ…
＿＿とは思ったが、大人しく乗った。
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作者名：響輝
| 作成日時：2023年1月13日 21時
