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取り敢えず元部下達は別室で休ませる。
そして一人になった処で
貰った封筒を取り出した。
(そう云えば、途中で出て来てから
ギィとラミリスからの思念伝達が
鬼みたいに来てるけど、何かあったのだろうか)
まぁ後で聞けばいいか。
封筒の中身は三つ折りに折られた
一枚の便箋と、
白紙の一枚の紙。
私は目を見開く。
「私に渡してもいい物じゃ無いだろうに」
便箋を開く。
其処には達筆な字が並んでいた。
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Aへ
息災か。御前が一瞬にして消えた
あの瞬間の焦りは今でも覚えている
その頁は落とし物が故届けた
御前を信じているから渡した
其方へ送る者共を
助力する為に使って欲しい
御前との日々は私の中では
桁違いに愉しかった
別れは惜しいが
御前の健康と充実を心より願っている
―――福沢諭吉
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私は小さく笑う。
福沢らしい言葉選びだ。
(もう天人五衰の私では無いのだと
判断したんだろうな)
私は封筒に便箋を仕舞い、
白紙の紙を机に置いた
そしてその前に座り、筆を執った。
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作者名:響輝 | 作成日時:2022年12月1日 1時