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空間転移でやって来たギィ。
(ヴェルザードは居ないのか)
暇だから話し相手が欲しかったんだが。
私がそう思ってると
ギィは自分の支配地を歩く様にして近づいて来る。
「よぉ、来たぜ」
何処迄も堂々としているギィに
私はそっと視線を手元の本へ逸らした。
すると、其の瞬間
読んでいた本が奪われる。
「おいおい、無視かよ」
「…何の用だ?」
ジト目で訊くと、
ギィは少し表情を柔くする。
「今度の
「…クレイマンか」
「アイツは小物だろ」
「カリオンの死も絶妙な処だしな」
「参加するだろう?」
決定事項の様に訊いて来るギィ。
私は溜息を吐いた
「丁度先刻『用が無ければ行く』と返事した処だ」
ギィの手の中にある本に手を伸ばし乍ら
私はそう答える。
ギィは私から本を遠ざけた。
その行為に私は彼へ文句を云う
「一寸」
「…今度はレオンも参加すると言っていたぞ。
俺も参加する。
お前の迎えはミザリーだ」
(迎え役を決め、私を強制参加させる気か…)
これ以上は駄々をこねる子供の様か
__と思い、私は観念して頷いた
「判ったから本を返せ」
私の答えにギィは笑い
私に本を返した。
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作者名:響輝 | 作成日時:2022年12月1日 1時