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A side
目を覚ますと、其処は
よく行く白氷宮の中の一室だった。
傷が回復しているのを見るに
彼等が助けてくれたらしい。
私は寝ている状態から上半身を起こし
もぞもぞと移動して窓際まで歩いて行く。
起きた気配は感じている筈だから
もうすぐ四人は来るだろう。
私はしゃがみ込んでボソッと呟いた。
「…疲れたな」
(でも、最期を飾るには良かったかもしれない)
そう考えていると
部屋の扉が開き、
焦った顔の四人が入って来た。
振り返った途端、
ヴェルザードとレインに抱き着かれる。
そしてギィが静かに問うてくる。
「何があった?誰にやられた」
その質問の後は他三人も静かになる。
ギィやヴェルザード、ミザリーにレイン。
全員何処か殺る気に満ちた目をしている
私は抱き着いた状態で顔を見つめて来る二人と、
心配と怒りの籠った瞳で
私を見つめる他二人を
さっと見回してから、小さく呟いた。
「私は、寂しかったらしい」
その答えに、四人は冷静さを
幾分か取り戻したらしく
此方を向く眼差しに安堵の感情も混ざった。
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作者名:響輝 | 作成日時:2022年12月1日 1時