155時間目 ページ6
放課後になり、
それぞれ校舎を去って行く。
私は最後に教室を出た。
皆普段は数人残っているが
暫くは試験勉強ですぐに帰っている。
すると、一番最初に出た奴等と
何故か浅野が話して居るのが見えた。
(珍しいな。
理事長に追い出されたか？)
私が数歩進むと、
会話が終わったらしく別れて歩いて行った。
私はいつもの道を音楽を聴き乍ら
一人で歩く。
すると、右耳のイヤホンを取られ
話しかけられる。
「A。試験対策は順調か」
「…浅野」
名前を呟くと私に視線を寄越す彼。
私はそのまま答えた。
「順調も何も、勉強しているのだから
それなりの結果は欲しい」
「それは誰しもが思う事だ」
「そうなのか。すまない」
「それより音楽は聞かないのか？」
浅野が話しかけてきた所で
音楽を停止させていたから訊いて来たのだろう。
私は繋いでいた携帯を取り出して答える。
「聞いても善いなら聞くが…」
「じゃあ聞こう。何にする」
結局そこから二人で帰った。
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作者名：響輝
| 作成日時：2022年11月10日 0時
