1時間目 ページ2
私はあの日の事を、今も鮮明に覚えている。
夕暮れ時の、古く周りには何もない部屋。
普段彼の近くに居れば包帯の香りしかしないのに
その時は血の匂いしかしなかった。
自分の体の感覚が、薄れていく。
最後の力を使い、迷う友人を導く。
「人を救う側になれ。
正義も悪も、君には
大差無いだろうが、その方が幾分か素敵だ」
私を年相応の、少年の
彼は私に問うた。「何故判る」と。
私は言った。
「判るさ。誰よりも判る。
私は、君の友達だからね…」
最後まで彼の耳に届いている事を願いながら
私はゆっくりと瞳を閉じた。
これがあの日__私が死んだ時の記憶。
しかし、その後、私は目を覚ました。
明らかに致命傷だったはずなのに
体には傷一つ無く
白いYシャツに黒いネクタイ、
そしてクリーム色のベストを着ていた。
鏡の前に立って、頬をつねり
現実なのかの確認をする
そして鏡の中の自分と目を合わせ言った。
「これは、難儀だな」
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結愛 - 初コメです織田作の成り代わりかー中也さんメインのやつも見てます (2023年2月22日 16時) (レス) @page16 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
響輝@お気に入り400人突破ベリサンキュ(プロフ) - アルドノアさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2022年10月25日 17時) (レス) id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
アルドノア - 新作おめでとう御座います!!楽しみにしてます!! (2022年10月25日 17時) (レス) id: d1c9c30f30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:響輝 | 作成日時:2022年10月24日 23時