シルヴァ家次女は、もうひとりのおちこぼれ。【ブラクロ】 (ページ10)

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もうひとりの　９ページ10

マル「こちらです！」
　

『失礼します。』
　

治療室へ入る。
どうやら、窓の向こうから、団長たちが勢ぞろいしているようだ。
　

レオくんも居る。

レオ「(兄上…！！！)」

オ「………Aさん、これはやはり…。」

『大丈夫です。
………腕を修復することは叶いませんが…。』

　

取り合えず、ｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬになりかけている
腹部の臓器からの修復しなくては・・・。
　

『光魔法“陽光の導き”…。』

　
これは、日常での傷から両手両足の骨折までを治すことのできる魔法。

これで一度回復魔法にならす。

　

『オーヴェンさん、手伝ってください。』
　

オ「あぁ。
…治せるのかい？」
　

『失ったものを取り戻すのは難しい。
…経験したからこそ分かることもあるのですよ。』
　

細かい傷や、足の骨折は完治。
…次は。
　

『光魔法“光治の雫”。』
　
さらに強力な回復魔法をかける。
　

オ「！？
…この回復速度は・・・。」
　

言いたいことは分かってます。

“以前より落ちた”。

　

私自身の病が酷くなってきているので、
この程度の処置しかできないんですよね…。

　

『…これで、１週間もすれば起きるでしょう。』

オ「腕は、もう…。」
　

『それだけ敵が強かったという事です。
・・・それに、紅蓮の獅子王団もお怒りの様ですよ。』

　

オ「！」

　

レオ達団員だけではない。
団長も、他の団の人達も怒っているようだ。
　

・・・いい仲間を持っているのですね、フエゴレオン団長。

　

私は部屋を出て、自分の診察へ向かう。
　
流石に、大きな変化がない限り
オーヴェンさんの手は借りず、定期検査だけする。

　

『・・・。』

特に他にすることはないので、
検査を終えたらさっさと帰りましょうか。
　

レオ「A殿！！」
　

『レオくんじゃないですか。
どうしました？お兄様のフエゴレオン団長は、
１週間ほどで目を覚ますはずですよ。』
　

　

レオ「兄上の怪我を治してくださったこと、
ここに感謝する！！！」
　

『…はぁ。』
　

レオ「A殿の体調はどうなのだ？」

　

『問題ありませんよ。』

レオ「よかった！！
では、俺はライバルの所へ行ってまいります！！」

『気を付けてくださいね。』
　

・・・それにしても、
久しぶりにこんなに回復魔法を使った。
　

　

ｺﾝｺﾝ

　

『？どうぞ、』
　

「調子は。」
　

『あら。』