シルヴァ家次女は、もうひとりのおちこぼれ。【ブラクロ】 (ページ21)

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もうひとりの　１９ページ21

『・・・。』
　

街は半壊していた。
民間人の非難は完了しているようだった。
　

団員全員が、戦いに集中している。
　

風の精霊の子の気配も感じる。

　

？「お？お？おぉ～～～～？？？
何かテメェ見たことあるなァ～～？？」
　

『！貴様は・・・・。』

　

？「忘れたかァ？テメェの仇様だぞォ？？ｗｗ」
　

『貴様・・・よくものうのうと…！！』
　

？「ンだよ覚えてんのかよつまんねえ女だなァ！？
あのチンチクリンそっくりだなァ！？」
　

『アグリウス・ハルデル…！！
貴様だけは許さない…！！』
　

＿５年前＿

A・シルヴァ、１２歳。

　

そのころの私は、友達が少なく
いまだ古い考えを改めない父が連れてきた妖精と交友関係を結んでいた。

　

陽性の名前は「ルノア」。
真っ白な髪の毛に黄色と白の瞳が特徴的だった。
　

『ルノア、私は幸せになれますか？』
　

ルノア「どしたん、いきなり。」

話し方が特徴的で…。

かわいいくせして、かっこいい。
メイドから聞いた通りの私の母の様な妖精だった。

　

ひとりぼっちの私に、ルノアは寄り添ってくれた。

…だけど。

『っ、ルノア‥！！
え、何で…。何でルノアがっ』

ルノア「・・・」
　

両手の手のひらで力なく伸びる唯一の友。

　

　

　
否、家族。

だらんと垂れた短い腕は、左は存在はあるものの、
右は肩から下がなく、血も流れ切ったようで
ポタポタとしか落ちていない。
　

　

　

その瞬間。

手のひらからルノアが取り上げられた。

　

目をあげると、そこには…。

アグ「あ、友達？
ごめんごめん、んじゃ、いただきまーす！」
　

羽をむしり取って、４枚とも食してしまった。
　

私は頭が真白になり、どうしたらいいかわからないまま、
泣きじゃくり、コイツへの復讐を決意した。

　

“おちこぼれ”

“王族・シルヴァ家の恥さらし”

　

何を言われようと、何も感じなかった。

だから、“悲しんでいる女の子”を演じてきた。

　

だけど、色んな人とかかわっていく中で
少しずつ心も許してきたつもりだった。
　

　

だけど
　

　

　

コイツを目の前にしたら、
抑えきれなくなってきてしまった。