stpr合作短編集！

《ほいっぷ》　習い事【桃】 ページ21

Aside

　

　この世には、完璧人間が必ず一人は存在する＿＿＿＿


　昔、家の地下にあった一冊の本。難しい本だったけど、所々読めるとこを読んでいたら、

　この言葉を見つけた。それからというもの、私はこの言葉を信じ続け、今まで生きてきた。



桃「アホかw」


　『アホとは何よ！アホって！』
　


　＿＿＿＿って事を同じ中学校の友達、さとみに話したらこの結果。


　自分から聞いたくせに…！


桃「まぁでも、その言葉を信じて来たからこそ今なのかねぇ、『生徒会長』さん？」

　
　『努力は報われるって言うしね！( *¯ ꒳¯*)』


桃「www」



　そう。私はその言葉を信じ続けた結果、テストは学年1位、生徒会長。

　私は憧れていた完璧人間になれたんだ。でも、足りない。まだ、



















　 『さとみの彼女になれてない』








　私たちは小学校の時から一緒で、いわゆる幼なじみってやつ。

　昔から、大好きだった。私が完璧人間をめざした理由もそのひとつ。

　完璧になってさとみに告白する。それが私の最後の最後の願い。


　
　正直言って、さとみはモテる。だからこそ、完璧にならなきゃ＿＿


　そんなことを思いながらピアノ教室に向かう。



　『そろそろピアノだから、帰るね、バイバイ！』


桃「おう！またな！」


　『…。』



　いつになれば、さとみの彼女になれるのかなぁ。




ｸﾗｯ


桃「おーいA！忘れも…っておい！」



ｶﾞｼｯ


桃「っぶね！セーフ…」



　『あ、さ、さとみ…』


桃「ったく、体調悪いなら言えよな。とりま、お前頑張りすぎ！休め！」


　え、それじゃ…


　『だ、ダメ…』


桃「は!?なんでだよ！」


　だって、だって、


　『だって…それじゃあさとみにちゃんと告白出来ない…』

桃「……は!?/////」


　『休んだら…完璧になれない…完璧になって告白出来ない…』


桃「バカか！俺は完璧じゃなくても好きだっての…あ、/////」


　『え…？じゃあ、それって…』


桃「『両片思い…？』」









　どうやら、完璧にならなくても、夢は叶うようです。


　

　ほいっぷ

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