愛に焦がれて憧れて。【赤×黄】 (ページ2)

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黄「うわ！」

急に自分にボールが来たことに驚いたのか、大げさなほど大声で叫ぶとともに左足を前に出した。

その長い足を、あまりにもまっすぐにしながら。

ボールは大きくゴールから逸れ、急な体勢によろけたところを濵田さんが笑いながら抱き留める。

紫「惜しかったなー！」

黄「全然惜しないわ！もうーみんなの足引っ張るだけやから嫌やってー」

サッカーであんなに足が伸びるのなんて見たことないってくらいピンと伸ばされた足がなかなかの衝撃。あの体勢を見ればわかる。

もしかして先輩、サッカーというより運動が苦手…？

今までかっこよくて完璧だと思って憧れていた人は意外なところに弱点があって。それがなんだか無性にかわいく思えてしまってから、あぁ自分はこの人に惹かれているんだって自覚した。

そこから先輩を意識することが増えて、といっても当時は課がちがったから遠くからちらりと見ることぐらいしかできひんかったけど。
幸運なことに去年からこの１課に配属されて先輩のすぐ下の後輩というポジションを手に入れた。

フレンチが好きそうな見た目してけっこうジャンクフードが好きなこと。
朝はコーヒーだけど、午後はミルクティーを飲むこと。お酒にはめちゃくちゃ強いこと。
同期で営業２課の桐山さん・総務部の濵田さんととても仲が良くてよく一緒にお昼を食べてること。
某ねずみの国が大好きで、マウスパッドはそのねずみ柄。でもそれ以上に愛犬を溺愛していること。

そして、営業部では誰よりも早く出勤していること。

今まで知らなった面を１つずつ知っていくたび、また好きが積もっていった。