・ ページ41
Aside
驚きと戸惑いの空間が2人を包み込む。
しかしこのまま黙っていたって何も状況が変わる訳じゃない。
それに私は早く、きんときに逢いたくて仕方ないんだ。
もう喧嘩なんてごめんだ。
悪魔とか人間とか、そんな種族なんてどうだって構わない。
気付いちゃったんだ。きんときじゃないと嫌だ。何も出来なくなっちゃうんだ。
人間だろうが関係ない。“ きんとき自体”が好きだから。
「…………コネシマさん。私、覚悟は出来てるんです。ですから＿＿＿！！」
knsm「スマイルさんも、色々あったんやろうなぁ。幼馴染である君はきっとたくさん聞いてるはず」
「いや………………あの確かにスマイルにはたくさんお世話したしお世話になりました……けど…………」
knsm「君の家系は“ 傲慢 ”やったっけか。……確かに、悪魔としては全くの期待外れやな！」
………………いや、は？
突然の煽りに対する驚きと怒りが上手く隠せない。話は遮るし、
「それが何なんですか！あなたには関係ないでしょ！？」
knsm「自分のやりたい事に真っ直ぐなのはええことや。ただ、それは“ 傲慢 ” の考え方やない。君は真っ直ぐ過ぎて、逆に片方しか選ばなさすぎる」
「だって…………だってどうしようもないじゃない！」
knsm「それにどんなに君の話を聞いても、“ 欲 ”の本質が見えへん。そんなんで、俺の実験を受けさせる訳にもいかん。こちとら人の命懸っとんやぞ」
「“ 欲 ”の本質…………？」
八つ当たり混じりで半ギレ気味に聞き返すと、コネシマさんは腰を浮かせて顔を近づける。
「そんなに言っておきながら……」と私に向け指を指し言葉を続けた。
knsm「＿＿＿どうして、君の心の中はまだそんなにも感情が渦巻いているんや？」
「…………………………っ！！」
彼には全て見抜かれていた。
「焦燥」「動揺」「不安」
早くきんときに逢いたいという「焦り」。
もう皆に逢えなくなるかもしれない心の「揺らぎ」。
人間なったところで仮に……なんてこの後の「心配」。
私＿＿＿全然駄目じゃん。
このまま人間になっても、きんときの隣なんか相応しくない。
じゃあもう、本当にどうしようもない＿＿＿＿。
knsm「だから俺言ってんじゃん。“ どっちか ”を選ぶ必要なんかない」
「どう、いう………………？」
彼はウインクをしたが、私にはその意味が全く理解出来なかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさちゃ(プロフ) - mekanさん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて本当に嬉しいしとても光栄です！！これからも応援よろしくお願いします！！！笑 (3月26日 8時) (
レス) id: 1f3f4e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
mekan - コメント失礼します！！めちゃくちゃ面白いです！！一つ一つの言葉がうまく表現されていて続きが気になりまくりました！！Nakamu さんのお話も頑張ってください！！ (3月20日 19時) (レス) @page20 id: facc464c1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うさちゃ | 作成日時：2023年7月27日 12時
