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きみはニンゲン? ページ35

だいぶ重めですすみません!!

きんときside




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生まれてきた事自体が災難で極まりなかった。

そう言ったら『不謹慎』だと、誰か彼かに怒られるだろうか。





《きんとき。……ごめんな》





父親は俺と会う度にそんな言葉を口にした。


まだ誰の顔も覚えられていない、そんなくらいの時期。





《これから生きてゆくのは……きっと辛い事が多いだろう。俺もきっと……………………もう、》





最期に聞いたのはそんな内容だったっけな。

唯一覚えてるのは、全てを悟ったような優しい顔だったって事だけ。





《これは忠告だ。 “ 能力 ” は使うな。そして、此処(ここ)で生きなさい。彼処(あちら)へ行けばお前の居場所を誰もくれはしないだろう》





それ以降、彼は一切の姿を消した。




母は泣き崩れ俺を抱いた。
俺は何も分からない、何も知りやしないのに。


その時から気付いていたのだろう。





“ 生まれてきた事自体が間違い ” であったと。





《俺は不幸だ。俺は不幸、なんだ____ 》





悲しいかな。そんな呟きを一人で。
母にも届かない、小さな小さな声で。











物心ついた時から女子が周りに居るようになった。

その子達は口を揃えて「優しい」だの「かっこいい」と言った。




別に関係ないし知らないし。
ただ、褒められるのは別に嫌な気はしない。




俺はきっとそう生きていくべきなんだ。

自我を出さず周りに合わせ気を遣う。




これこそが不幸な俺が出来る事だ。



小さいながらの、生きる方針だった。












母が亡くなった。



原因は不明。ただ母親の噂を鵜呑みにするつもりは無いが精神的な患い……らしい。




その時の記憶は無い。泣いた覚えすら。


それはきっと “ 何で俺を産んだんだ ” という疑問や腹立たしさなどの感情がまだ勝っていたからだろう。





今だってそうだ。何で____何故俺を産んだのですか、母さん。




何故俺の母親になったんですか。





生きるのは懲り懲りなんです。
もう色々と疲れたんです。





俺は存在がバレないようにするために “ 幽閉 ” された。
未来が見えなかった。外の世界に出たかった。




こうなったのも全て悪魔のせい(・・・・・)




悪魔が悪い。全部全部。





だから “ 俺の人生に ” 悪魔なんていなければ___。





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作品ジャンル:恋愛
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うさちゃ(プロフ) - mekanさん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて本当に嬉しいしとても光栄です!!これからも応援よろしくお願いします!!!笑 (3月26日 8時) (レス) id: 1f3f4e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
mekan - コメント失礼します!!めちゃくちゃ面白いです!!一つ一つの言葉がうまく表現されていて続きが気になりまくりました!!Nakamu さんのお話も頑張ってください!! (3月20日 19時) (レス) @page20 id: facc464c1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うさちゃ | 作成日時:2023年7月27日 12時

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