・ ページ25
Aside
私の事を否定してるんじゃないとは分かっている。彼は “ 悪魔 ” を拒絶しただけ。
しかしその種族の “ 悪魔 ” である私にとって、それは私の存在自体を否定しているのと同等だ。
悲しかった、悔しかった。
色々な感情と彼の発言が頭をグルグルと駆け回った。
kn「…………！！A………………？」
強く残った怒りと悲しみの感情が入り交じって衝動的に立ち上がる。
言葉は何も出なかった。気付けば目には涙が浮かんでいた。
きんときは驚いた顔をしてじっと私の顔を見つめ、何か言いたげな顔だったが私が虚勢を張ったので黙ったまま固まっている。
このままじゃ確実に私が悪魔だとバレてしまう。
しかし理性を失ってしまった私は涙目できんときを睨みつけその場を走り去った。
あぁ、確実に嫌われた。
もうこんな状態じゃ会えないに決まってる。
悪魔を貶された怒りと、存在を否定された悲しみが恋愛感情を一気に押し潰した。
もう彼に希望は無いのかな。もう会えないかもしれない。
けどそれでもいい。暫くは顔も見たくない。
幼い子供のように意地を張って人の間を掻い潜ると、誰にも見えない場所へ行き魔界へ帰った。
・
もうきんときなんか知らない。あの時そう言っていれば何か変わったかもしれない。
何日経っても私は立ち直る事なく、人間界には全く足を運べずにいた。
あれ、そもそも何のために私はきんときに会っていたんだろう。
最初は《
そもそも悪魔としての役目も果たせてない。
おまけにターゲットに惚れて本来の目的を見失って。
さらにはそのターゲットに存在を否定された。
仮にもしこのまま接触していたとしても、私は《
いっその事どっちにも区切りが着いたなら、それはそれで良かった＿＿＿＿と素直に言えたらもっと良かったのに。
ならばもう、悪魔として生まれなければ良かった。
私が人間として彼に接していれば、悪魔嫌いとは無関係に仲良くする事が出来ただろう。
そう思うのは、今この瞬間私は《
あれから時間が空けば空くほど、彼への想いが強くなっていくだけなのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさちゃ(プロフ) - mekanさん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて本当に嬉しいしとても光栄です！！これからも応援よろしくお願いします！！！笑 (3月26日 8時) (
レス) id: 1f3f4e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
mekan - コメント失礼します！！めちゃくちゃ面白いです！！一つ一つの言葉がうまく表現されていて続きが気になりまくりました！！Nakamu さんのお話も頑張ってください！！ (3月20日 19時) (レス) @page20 id: facc464c1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うさちゃ | 作成日時：2023年7月27日 12時
