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Aside
射的屋を囲うような人集りを掻い潜ると、1人の男子が既に射的を終え銃を置いていた。
mb「お兄さんいいねぇ!その調子だよ」
射的屋のおじさんが豪快に笑うとベルを手元で振り回した。
こちらに気付いたその男子がスタスタと駆け寄るとぶるーくを指差す。
kn「もう1回勝負しろ。今度は負けないからな」
br「…………あはっ!いいねその自信」
辺りが歓声に包まれる。完全に見物されている。
それはまるで何かの決闘を見るかのように。
br「ルールはさっきと一緒!先行は僕ね」
ぶるーくは銃を先に握ると目の色が一気に変わった。
あれは獲物を狩るハンターの目だ。本気度が伺える。
いつの間にか目を瞑って手を合わせていた。
ぶるーくが少しでも___なんて最低な。
mb「残り1つでパーフェクトだよ!」
ベルを鳴らしこう叫ぶおじさん。その音につられてか、更に人は集まっていくばかり。
ぶるーくの高得点に加え、観客も増えきんときへのプレッシャーが大きくなる。
mb「さぁラスト………………ってうわぁ!お兄さん、それは駄目だよ!!」
ぶるーくはコルクを銃に詰め込んだかと思えば、景品の方に銃を構えるのを辞める。
代わりに、きんときに銃口を向けるという暴挙に出た。
br「この1発は、きんときにくれてやる。これは僕からの気持ち。素直に受け取ってね」
ぶるーくはきんときの胸辺りに向けて「バンッ」と言いトリガーを引いた。
きんときは何も言わずその弾を受け止めた。
辺りがまるで静かになる。そりゃ危険行為だもの。
mb「…………にしても、これは中々厳しいんじゃないか?」
mb「もうパーフェクトじゃないと……」
またまたザワつく観衆。
それはきんときに対しさらにプレッシャーを与えた。
でも、それでも____。
「頑張って!!きんとき!!!!」
私が負けては、駄目だから。
br「A………………はぁ…………まぁ、そうだよね〜………………」
sha「お前は十分頑張っただろ」
きんときが銃を構える。先程までの構え方とは大違い。
そうだ、きんときは何事に対しても真面目で、一生懸命で。
素敵な人。大好きな人。
その姿から目が離せなくなった。
なのに、見ているとドキドキが止まらなくて。
胸が苦しい。今すぐにでも抱きしめたいくらい。
そうか、私もしかして___。
きんときが、好きなんだ。
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うさちゃ(プロフ) - mekanさん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて本当に嬉しいしとても光栄です!!これからも応援よろしくお願いします!!!笑 (3月26日 8時) (レス) id: 1f3f4e31c6 (このIDを非表示/違反報告)
mekan - コメント失礼します!!めちゃくちゃ面白いです!!一つ一つの言葉がうまく表現されていて続きが気になりまくりました!!Nakamu さんのお話も頑張ってください!! (3月20日 19時) (レス) @page20 id: facc464c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うさちゃ | 作成日時:2023年7月27日 12時