【WT】水色に包まれたくて【na】 (ページ14)

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13、道化師ページ14

Aside

それから、私が執拗になかむ君を避けるようになることは必然的だった
そもそもがそんなに関わりがないからあまり関係ないのだけれど

「あれ、ハンカチ落ちてる。誰のだろう…………？」

この生活から一週間、ある日のこと
廊下に落ちていた無地のハンカチを拾った時だった
不覚にも、油断してしまっていたのかもしれない

？「あ、それ俺のです＿＿＿って、もしかして隣の席の………………？」

全身が熱くなるほどの“ 絶望 ”……だと、私は思った
彼はキョトンとした顔でこちらの顔をのぞき込む
私は今、果たしてどんな顔で彼を見つめているのだろうか

「な、なかむ君……………………」

na「ハンカチ、拾ってくれてありがとう。…………あの、俺さ！」

「し、失礼します！！」

目尻が熱くなりこれ以上話すとこれが震えてしまいそうで無理やり逃げた
彼が何か声を掛けているのも聞こえないほどの早足で

絶対に態度悪かっただろうな……自分

後悔も、罪悪感も、これで良かっただなんて投げやりな言葉で自分を宥められる気がしていない
彼と接する度、自分がやっている事が正しいのかすら分からなくなっていく

私がしているコレは無視？
奴らがやってる事と同じイジメ？

『あ、私きっと嫌われたんだな』

サラッと理解したフリして、本当は凄く心にきている事は理解したくないと思考を停止させた

それに自分がやっている意味不明な行動にいい加減自分もイラついてくる
結局私は＿＿＿何がしたいんだろう

彼を傷付けたくない、なんて啖呵切っといて自分が傷付けるような真似をする
彼が救ってくれるんじゃないか、なんて人頼みな期待をしてるくせに巻き込みたくないと考えてる自分もいる

私は矛盾だらけで＿＿＿自分が無い

結局は考えも行動も全部、道化師と一緒だ

もう、どうする気力もないや
辿り着く答えにはまだ早い＿＿＿いや、案外もう近いのかもしれない

・

マリン「マジで調子乗んなよ。ヒロインぶってて楽しい？」

放課後の体育館裏、最悪のシュチュエーション
少女漫画でも今は無いんだぞなんて言ってやりたい気持ちを抑える
こちらを睨み付ける相手は最早人間じゃない、あれは化け物だ

マリン「なかむ君ねぇ。最近マリンに自分から話しかけてくれるんだよぉー？だから……そういうこと、分かった？アンタの付け入る隙なんざないってこと！あはははっ！！」

＿＿＿無力な自分