11、穏やかな ページ12
Aside
私が一体全体誰に何をしたんだろう
面倒臭い彼女に正論をかました結果このザマだ
だから今まで素直に従っていただけなのに
救いたいとか＿＿＿馬鹿げてるはずなのに
私はヒロインでもヒーローでもない
ただの何処にでもいるありふれた女子高生
それでも自分が変だと周りから虐められるのであれば
私は周りを異常と思わざるを得ないから
マリン「隙ありッ！！」
マリンがこう呟くと私の鞄を取り上げ、チャックを開けた瞬間鞄をひっくり返し中身を全て床へとぶちまける
その後ゴミを捨てるかのように廊下の方へ空になった鞄を放り投げ高らかに笑った
マリン「あははッ！！逆らった罰よ！ちょっと地味だけど、今はこれで我慢してよね」
マリンは意地汚く地味な嫌がらせで足掻いてみせる
本当に今は鬱陶しいとしか思えなかった
？「おいちょっと。コレ、誰の鞄だ？」
？「落し物……？にしては大胆に落ちてるね」
偶然その廊下に通りかかった男子生徒2人が鞄を拾い上げた
バチッと目が合いゆっくりと私の方へ近づいてきた、が
ぐちゃぐちゃにばら撒かれた惨劇のような現場を見て男子生徒2人は驚愕した
それでもホクロが特徴の人が中身の無い鞄を私に問いかけるように持ち上げる
もう片方の人は「なんでこうなるんだよ」とブツブツ言いながらも散らばった物を拾い上げてくれていた
「あ！す、すみません大丈夫ですから……」
？「いいよ。拾うのくらい全然手伝うから」
2人はその場にしゃがみこみ丁寧に集めてくれた
私も慌てて膝を曲げると適当に鞄の中へ突っ込んだ
？「ふぅ。片付いたね」
？「ったく、どうしてこうなるんだよ」
そう言われてハッとした時には既に犯人の姿は無かった
むしろいない方が好都合だったのかもしれない
純粋な気持ちで私を助けてくれた2人をアイツに会わせなくて済むのだから
？「えっと……一組の子、かな？」
？「一組って確かなかむもじゃなかった？」
なかむ君の事を知ってる……？
もしかして同時に転校してきたお友達かもしれない
通りで純粋な訳だ、まるで彼と一緒だ
犠牲者を出す前にこの人達ともまた関わらないようにしなければ
「あ、あの！本当にありがとうございました！じゃあ私はこれで……」
さようなら、もうきっと話す事のない側の人達
私をちょっとでも救ってくれてありがとう
そんな今までに無い穏やかな気持ちを胸に、彼らに背を向けた歩き出した
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作者名：うさちゃ | 作成日時：2023年4月2日 9時
