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教室に入って、更衣室まで向かう。
目の前のカーテンに手をかけようとした時だった。
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『キャー！』
廊下から女の子達の黄色い歓声が聞こえてきた。
今時そんな漫画みたいな状況あるのかな、なんて思ったけれど、その理由はすぐに分かった。
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『い、いらしゃいませ…何名様ですか？』
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ドアから入ってきた人。
圧倒的なオーラとかっこよさ。
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翔 「二名です」
智 「うわぁ。翔ちゃんすごいね！内装可愛い〜」
翔 「…居るかなぁ」
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…櫻井先輩、と大野先輩！？
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『ご案内します』
接客してるクラスの女の子も先輩たちのかっこよさにタジタジ。
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周りを見渡してる櫻井先輩と、大野先輩。
櫻井先輩は咲菜ちゃんを探してるのかなぁ？
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…どうしよう。
こんな格好じゃ絶対大野先輩と会えない。
大野先輩来るだなんて聞いてないよ。
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変に動いたらバレるかも…カーテンの裏に身を潜めた。
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咲菜ちゃんが先輩たちに気が付いてそのテーブルまで向かう。
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咲 「翔先輩、大野先輩。ご来店ありがとうございます！」
智 「ンフフ。やっほぉ〜咲菜ちゃん」
翔 「咲菜ごめん、遅くなった」
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翔 「つかメイド服超可愛いんだけど」
咲 「本当ですか？翔先輩達はえんび服じゃないんですね」
翔 「着るなら前もって言っとけよなぁ。心の準備が…だってあんなの恥ずかしいだろ」
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あ、そっか。確かに先輩たち普通に学生服だ。
執事カフェって言ってたもんね。
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というか良かった。何とか私の存在に触れられなくて済みそう。そうホッ…と胸を撫で下ろした。
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智 「…アレ？そういえばAちゃんは？」
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ゲッ…！すぐに逃げ出そうと思ったのに
『今、呼んできますね！』なんて笑顔で口にした咲菜ちゃん。
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咲 「やっぱここに居た！」
やっぱり咲菜ちゃんは私の考えなんて見え見えで、いとも簡単に見つかった。
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咲 「はい、行くよ〜」
あ 「…ちょっ」
大野先輩に見られたくない。
そう思う私の気持ちとは裏腹に引っ張られる腕。
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あ 「…」
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思わずギュッと目を瞑る。
大野先輩がきっと今、目の前に…
なんて言われるのか、怖い。
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作者名：大宮華花
| 作者ホームページ：http://s.ameblo.jp/nino1206smile/
作成日時：2020年5月3日 19時
