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咲 「Aさぁ」
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昼食の時間。パンを頬張りながら咲菜ちゃんがそう口を開いた。
鈴木咲菜ちゃん。私と同じクラスの友人。
小心者で静かめの私と比べて咲菜ちゃんはしっかりしてて行動力もあってちょっぴり羨ましい。
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咲 「大野先輩のこと、見てるだけでいいの？」
あ 「…どうしたの急に」
咲 「だって。せっかく話しかけられるっていうのにじっれたいんだもん！」
あ 「良いの…私は先輩見てるだけで幸せだから」
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本当はちょっと話してみたい…なんて。臆病な私には到底無理なんだけどね。
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咲 「はぁ。駄目だなぁ〜。
大野先輩人気だからそんなことしてたらすぐ取られちゃうよ？」
あ 「そうなったら…そうなっただよ。
私と大野先輩が結ばれるなんてまずあり得ないし」
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…そうだよ。
大野先輩は私と比べて才能もあって、かっこよくて人気者で。
それに比べて私はこれといった才能もないし
可愛くもなくて、地味で冴えないし。
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咲 「まーた、頭の中で大野先輩と比較してるぅ」
あ 「…無理、無理」
やっぱり大野先輩と付き合うなんて夢のまた夢。
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咲 「分かったよ〜もう。心配した私が損したぁ」
あ 「あ、咲菜ちゃん待ってよ〜！」
食べ終わったお弁当を包んで屋上をあとにする咲菜ちゃん。
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そりゃあ私だって行動力があったら先輩に話しかけたり…したいよ。
でもやっぱり、無理なんだ。
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作者名：大宮華花
| 作者ホームページ：http://s.ameblo.jp/nino1206smile/
作成日時：2020年5月3日 19時
