第六話 ページ6
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ヘッドフォンを頭に装着し、手にはバーコードを読み取るペンを持ちその時まで待つ。
4歳以上の子供たちがいるこの部屋は朝食時とは打って変わって
何の音も聞こえないぐらい静かだ。皆、机の液晶をただ集中して凝視している。
今はテストの時間。あれから朝食を食べ終えた4歳以上の私たちはこれから毎日行われてる
テストに臨む。ママ曰く、これは学校の代わりらしい。
「〈Age11 Type1,各問10秒以内に答えなさい。それでは始めます。〉
ヘッドフォンから女性の声が聞こえた途端、部屋の空気が変わる。
まるでぴんっと張った糸が、出来たようだ。
「〈第一問、立体Aの展開図として正しくないものを選びなさい。〉」
「〈_第18問、次の不等式の表す領域を....。〉」
「〈__第59問、以下の条件を満たすとき導き出される関係式を...。〉
「〈___第60問...〉」
「〈_続けてType2...。〉」
「ふぅ...やっと終わったわ...。」
長いテストが終わり、波打ったように部屋が賑やかになる。
皆机に伏せたり体を伸ばしたり、疲れたようだ。でも皆の顔はとても楽しげに見える。
私は勉強...テストが好きではないので、なんでそんなに嬉しそうなのかがわからない。
「結果を返すわね〜。
ノーマン、レイ、A、エマ。すごいわ4人とも!また300点!満点よ!!」
まぁ、テストは嫌いだけど
「やったねA。勉強嫌いなのに凄いわ。頑張ってるのね。」
「....うん、ありがとうママ。」
ママに褒められるから、この時間はほんの少しだけ好きだ。
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作者名:にゃんこ | 作成日時:2018年1月4日 2時