検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,137 hit

第六話 ページ6






 ヘッドフォンを頭に装着し、手にはバーコードを読み取るペンを持ちその時まで待つ。
4歳以上の子供たちがいるこの部屋は朝食時とは打って変わって
何の音も聞こえないぐらい静かだ。皆、机の液晶をただ集中して凝視している。

 今はテストの時間。あれから朝食を食べ終えた4歳以上の私たちはこれから毎日行われてる
テストに臨む。ママ曰く、これは学校の代わりらしい。


「〈Age11 Type1,各問10秒以内に答えなさい。それでは始めます。〉


 ヘッドフォンから女性の声が聞こえた途端、部屋の空気が変わる。
まるでぴんっと張った糸が、出来たようだ。


「〈第一問、立体Aの展開図として正しくないものを選びなさい。〉」

「〈_第18問、次の不等式の表す領域を....。〉」

「〈__第59問、以下の条件を満たすとき導き出される関係式を...。〉

「〈___第60問...〉」

「〈_続けてType2...。〉」






「ふぅ...やっと終わったわ...。」


 長いテストが終わり、波打ったように部屋が賑やかになる。
皆机に伏せたり体を伸ばしたり、疲れたようだ。でも皆の顔はとても楽しげに見える。
私は勉強...テストが好きではないので、なんでそんなに嬉しそうなのかがわからない。


「結果を返すわね〜。

 ノーマン、レイ、A、エマ。すごいわ4人とも!また300点!満点よ!!」


 まぁ、テストは嫌いだけど


「やったねA。勉強嫌いなのに凄いわ。頑張ってるのね。」

「....うん、ありがとうママ。」


ママに褒められるから、この時間はほんの少しだけ好きだ。




第七話→←第五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にゃんこ | 作成日時:2018年1月4日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。