☆２１☆ ページ21
「ここに屋根作って、テーブルと椅子おくだろ？
…うん。いけるな。
よし、棚ちゃん。ここにカフェスペースつくろう。
コーヒーも売り出して、コーヒーにあうメニュー増やして、
パンもここで食べれるようにする」
棚田は目を閉じて、そんな光景を想像してみた
「ああ…いいんじゃない？」
穏やかな空間が自然と瞼の裏に浮かんだ
そんな棚田に、悟は「だろ？」と言って向き直った
「従業員は、棚ちゃん」
「え…？」
棚田の前に、コーヒー豆の瓶が差し出される
顔をあげると、悟の真剣なまなざしにぶつかった
「いいの…？」
「俺たちなら、わかってやれるぞ？
そんで、棚ちゃんなら、わかってくれるだろ？」
何を、とは、言葉にするまでもなかった。
棚田の瞳が揺れた
棚田はこぼれおちないように空を仰いでから、
悟を見た
「ふつつかものですが…」
両手で、コーヒー豆の瓶を受け取る
決して軽くはない
それなのに、心地よい
「よろしく。棚ちゃん」
悟は力強く笑った
棚田は大きく頷いた
「さ、カレーパン揚げよう！
…ありゃ、11時だ。もう昼だな。」
「どっちでもいいよ。楽しみにしてたんだ。」
棚田は、カレーパンを揚げる悟の手を見ていた
指がすらりと細長くて、確かにきれいな手だと思った
「はい、完成
めちゃくちゃ熱いから気をつけて」
揚げたてのカレーパンを、
二人であちーあちーと騒ぎながら食べ終えると
もう二人の間に時の隔たりは消えていた
「なんでカフェでバイトしなかったの？」
「最初はカフェのバイト、してたんだ
だけど、すぐにお客さんの噂になっちゃって、やめた
お店の迷惑になるから、って言ってたけど、
要は俺が、そうやって後ろ指さされるのに耐えられなくて…」
話しながら、棚田が時々確かめるように顔を上げると、
悟は必ず棚田の目を見て、大丈夫、と言うように頷いた
「次も、その次もすぐにだめになって、
もうカフェはやめたの。
なるべく、たくさんの人とは顔を合わせない仕事を選んで、
ばれたらやめる、の繰り返し
そうしてるうちに、なんか、わけわかんなくなってきちゃってさ…」
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りるたむ(プロフ) - れにゃ♪さん» れにゃ♪さん！ご指摘ありがとうございます！修正ついでに最後までアップさせていただきました。この先はさらに彼らの関係性や過去、未来がぎゅぎゅっと詰まった展開を考えておりますのでぜひ楽しんでいただにたきです。移行後もよろしくお願いします(*^^*) (2016年3月27日 20時) (
レス) id: e60c1bc0f1 (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - 仕事を辞めて、どこで働くのかどうしていくのか気になります！
パン屋の方に残っているお二人は、どうなっているんでしょうか？
こちらの方も気になります！
それと、40話が抜けているのですが…
続き楽しみです!!
更新 頑張って下さい(^o^)／
(2016年3月27日 19時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
りるたむ(プロフ) - れにゃ♪さん» れにゃ♪さん。コメントありがとうございます！すごく励みになります！お話の中の彼らの空気感を感じていだけていたら嬉しいです(*^^*)これからも応援よろしくお願いします！ (2016年3月26日 21時) (レス) id: e60c1bc0f1 (このIDを非表示/違反報告)
れにゃ♪ - はじめましてm(_ _)m
作品を見つけて読ませて頂いています。
すごく作品の世界観に引き込まれていきました！
これから どうなっていくのか 続きが気になります！
更新 頑張って下さいp(^_^)q
(2016年3月26日 19時) (携帯から) (レス) id: 3190274a8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りるたむ | 作成日時：2016年3月16日 22時
