Episode96：紹介 ページ9
××
相手が吸血鬼だというのなら、何をされるのだろうか。血を吸われたりとか、そういうこともあったり？ それとも単なる拷問とかだったりするのだろうか。
血を吸われるのはちょっと興味があるな。でもやっぱり怖いから、銀の十字架とかナイフとかペンダントとかを近くの雑貨屋さんで買ってきたのだけれど、どうせただの伝承なのだから意味は無いのかな、とかそんなのんびりとしたことを考える。勿論顔には出さない。
――誰も、私がこんな馬鹿げたことを考えてるだなんて、知らないんでしょうね。
「……無事でいられないようなことをされたら、逆にあたしがアンタたちを微塵の欠片も残さず消し去ってあげるわよ」
「静香に何かしたら、私は絶対に許さない」
――なんて、私に大したことが出来るわけじゃあないんだけどさ。
「そうか、それは怖いな。……もう知っているとは思うが、改めて自己紹介をさせて貰う」
全く怖いと思っていない顔で怖いと嘯く。あーあ、これ私舐められてるよねぇ、絶対に。まぁ、いいんだけどさ……って、良くないよ。良くない、絶対によくない！ 学校でも顔を会わせるんだから、今の内に交友関係を――って、違う違う。本来の目的は――…静香を助けること。
――【吸血鬼】を、殺すことなのだから。
「お前たちのそばにいるのが無神コウ。窓のそばに立っているのが無神ユーマ。俺の向かいでナイフを持っているのが無神アズサ。――そして、俺が無神ルキだ」
そう言って順々に無神家一族を説明していく。いやいや、知ってるってば！ なんてことは言わない。勿論静香も。そんな当たり前の情報なんてもの、とっくの昔に知ってるってば。クラスメイトなんだから。なんて突っ込みを心の中でいれるも声に出すことは叶わず、
「じゃあ私たちも。私が佐伯莉緒、こっちが柊静香。よろしくねー」
取り敢えず様子見にいつものように話しかける。コンセプトのようなものは�爐い弔發醗磴辰進薫狼い望�し物怖じしながらも、いつものクラスメイトの顔にいつもの調子を取り戻した佐伯莉緒�瓩任△襦�
できているかは分からないけれど、まぁいつもとちょっと違う感じぐらいは出せてるだろ。おーけー、おーけー。心の中が、緊張がほぐれたのかそれとも緊張のし過ぎで壊れたのか何なのか分からないけれど、ちょっと崩れ始めた。まぁ、誰も心の中までは読みはしないよね――…
××
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
