Episode102：防犯 ページ16
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「まあいい。リビングに戻ろう」
その声を遠目に聞きながらぼすんと荷物を置いておく。
中身は大したものが入っていないバッグなので乱暴に扱っても特に何もない。大事なものはいつでも近くに置いておかないと不安になる。
部屋の中をぐるりと見渡すとさっぱりとしていて真っ白だった。そう感じるのはカーテンやらベッドやらが真っ白だからか。ぽつんと綺麗な家具がいくつか置いてあるけれど、むしろ家具がある事でその寂しさが増している様な気がした。
まるで――…
「莉緒も荷物置いておいたら？邪魔になるでしょう……ってもう置いてたのね。さすが、仕事が早いわ」
「ふっふふん、もちろんだよ〜？ 私の部屋、めっちゃな感じだった」
「あら、だったの？ あたしは青色だったわ」
背後から声がして咄嗟に答える。
静香の部屋は青色がモチーフとなった部屋だったらしい。内心いいなあと思いながらドアをそっと閉める。
鍵は――ふむ、かけておくべきか。一応かかるみたいだけれど彼らの家なのだから鍵ぐらいストックがありそうなものである。家から持ってきておいたセロハンテープと小さい錠と鍵で一応防犯対策をしておく。セロハンテープがくしゃくしゃになっているかどうかで部屋に入られたかどうかは分かるし、鍵をもう一個こっそりつけておけば入られることはない、はず。
(例外は、あるかもしれないけれど、警戒しておかないと)
そうやっているとあまりにも遅かったのか無神コウが呼びに来た。
�爐呂笋�〜！�瓩世覆鵑得爾�一階から響いてくる。静香がそっちへと体を向け歩き始めたのを確認して、こっそり静香の部屋にもセロハンテープを付けておく。
そして何食わぬ顔でついていく。声が下から聞こえてきたところを見るに、下がリビングになっているみたいだ。腕時計をサッと見て、今の時間を確認する。
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