Episode98：損得 ページ11
××
「ここと、ここだ」
「――…あれれ、私と静香同じ部屋じゃないの？」
ちょっとばかり反応が遅れた。おっとと、危ない。”恥ずかしながらにお金持ちオーラの漂うこのお屋敷にたじろいでおりましてですね。”なんてどっかの誰かに説明口調で話す。勿論頭の中でだけど(なんか私痛い人みたいだこれはつらいぞ)
ん、違うお部屋なのか。一人でこんな豪華そうな部屋使っていいのかよ。いいのかよ。いいのかよー…(エコー)。一人エコーで一人遊び。なんて脳内で遊びながらも考える。
――デメリットとメリットの計算。
――デメリット。静香と私が引き離されてしまうこと、目が届かないところに二人を隔離された場合、何をされるか分からないこと。
――メリット。静香に�犂躙韻世�ら�瓩箸いν�由で止められることなく【情報収集】に向かえること。彼女は本質の所自分で言うのもなんだけど、私には甘い。駒として扱ってくれてもいいのに、大切に扱おうとする。情報収集が出来ずして私が何の役に立つのだ。そしてもう一つ、彼に貰った【×××】をばれずに置いておくことが出来ること。
うん、圧倒的にメリットの方が多いね。デメリットの方も�猯戮良�屋�瓩世箸いΔ海箸琶匹任眞，韻佚舛錣蠅修Δ澄Ａ漢殻簑蠅覆掘�まぁ、壁が分厚ければ話は無駄だけど。その場合は持って来た【盗聴器】を静香の部屋に仕掛けさせてもらおう。【盗聴器】を仕掛けるにあたって静香にばらすかは後で考えよう。んー、ばらさない方が良いかな？
「まさか。 お前たちを同じ部屋にするわけがないだろう」
――まぁ、そりゃそうだろうね。
「……まぁそれもそうね」
「佐伯莉緒の隣はアズサの部屋で、向かいはコウだ。柊静香の部屋の隣はユーマで向かいは俺だ」
ぐわお、嫌なところを当ててきやがるぜ。しかもここらに部屋固めちゃうの？ ここに来るまでにもっと扉いっぱいあったぞ？ いいのかね？ ほかにも部屋はあるんじゃないのかね？ 囲む必要があるのかい？ ――まぁ、囲っておいて監視するんだろうけどな！
「あっそう。囲まれてるってわけね。変にいろいろ企てないように。――逃げることのないように。」
「理解が早くてとても助かる。ちなみにお前らの部屋のバルコニーと、この部屋の廊下には使い魔が毎日二十四時間体制で見張っている。客人にこのようなことをするのは忍びないが……、」
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