満月ノ記憶。【DIABOLIKLOVERS】

10/笑顔で隠す本心との差 ページ10

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「覚悟？ 覚悟なんかできてませーんよ」


《ふっ、そんなものが私に有るとでも？》そう言って、何やら変なポーズをとるレイ。
そう言うつもりでそのポーズを取っているのかは分からないが、どうやらかっこいいと思ってやっているらしい。


――全然かっこよくないけれど。


綺麗な容姿に残念な性格である。
これが残念な美女、と言うやつなのかもしれない。
こんな彼女にも勿論真面目な一面はあるのだけれど、ここではまだ語られない。


「はぁ――で、本当はなんなんだよ？」


呆れたように肩を竦めながらスバルはレイに聞いた。


もうレイのことは色々諦めているようだ。
そのことにレイは気付いていないけれど。



「ん――？ あぁ、えっとねぇ……なんか気ままにぶらぶら歩いてたらここに来ちゃってさ」



《もしかしたらスバル君と引き合わされたのかもしれないね――》
なんてお道化た様子で言いながらくるり、と回って見せる。



回る動きが最近のお気に入りらしい。
回るとともに少女の金色の髪が揺れる。ふわり、と。



その言葉にスバルが顔を少し赤らめさせたのには、全く気付いていない様だった。
色んな所で聡いレイではあるけれど、その分他の所で抜けているみたいだ。



もしかしたら気付いているかもしれないけれど。
それは彼の知る由はない。



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